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第2週最難関の山岳でレムコが勝利 2位ヴィンゲゴーが落車負傷でリタイア|ツール・ド・フランス2026

ツール・ド・フランス2026は第2週最終日として第15ステージを行って、超級山岳プラトー・ド・ソレゾンの頂上フィニッシュをレムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)が制した。今大会初勝利で、ツール通算では3勝目。マイヨ・ジョーヌのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)がステージ2位としてトップを守った一方で、最大のライバルであるヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)が落車し負傷。レース続行は不可能で、無念のリタイアとなった。

初登場の超級山岳プラトー・ド・ソレゾンを目指す

ヴォージュ山脈での2日間を戦い終えたプロトンは、いよいよアルプス山脈へ。183.9kmのコースは、ジュラ山地を抜けてアルプスへと進んでいく。最大の注目はツール初登場の超級山岳プラトー・ド・ソレゾン。前哨戦のツール・オーヴェルニュ・ローヌ・アルプでは3度登場していて、今年はイサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)が独走勝利を挙げている。

© A.S.O./Charly López

シャンパニョールの街を出発したプロトンは、早い段階でアルペシン・プレミアテックがコントロール。逃げを許すことなく進むと、17.3km地点に置かれた中間スプリントポイントへと到達した。アルペシンはねらい通りにヤスペル・フィリプセン(ベルギー)を1位通過させ、2位通過だったポイント賞首位のマッズ・ピーダスンとの得点差を31点とする。

スプリンターたちのミッションが果たされると、レースは逃げを狙う選手たちが活発に動き出す。出入りが繰り返される間に3級山岳をひとつ越え、スタートから50kmを過ぎたところで10人が先行を開始。ただ、逃げに選手を送り込めなかったチームが集団を率いて追う流れになり、20kmほど進んだところでキャッチ。さらに10km程度進行し、新たな逃げの動きが発生した。

フィニッシュまで100kmを切ったところで、先頭グループは24人。このうち5人が個人総合でトップ20に入る選手たちで、大幅なランクアップをかけて先を急ぐ。

メイン集団とのタイム差を約3分とした先頭グループでは、1級山岳コル・ド・ラ・クロワゼットに入ったところでクイン・シモンズ(リドル・トレック、アメリカ)がアタック。そのまま頂上を1位通過すると、下りで4選手が合流。5人逃げとしてレース終盤へと移った。

© A.S.O./Thomas Maheux

このステージ3つ目の山岳、3級コート・デュ・モンを越えたところでマウロ・シュミット(チーム ジェイコ・アルウラー、スイス)がアタック。約15秒差で追走が続き、メイン集団ではヴィスマがコントロールし2分20秒差とした。

ヴィンゲゴーはキャリア10戦目のグランツールで初リタイア

衝撃のシーンはフィニッシュ前20kmで起きた。ハイスピードのまま右コーナーを抜けるメイン集団で、ヴィンゲゴーが曲がり切れず落車。チームのアシストライダーのほか、直後を走っていたデルトロも巻き込まれる。クラッシュにかかわったほとんどの選手がすぐに動き出したが、ヴィンゲゴーは強い痛みを訴えて再出発は難しい状態。右腕を吊られた状態で救急車両に乗り込み、リタイアを決断。3年ぶりのツール制覇へのチャレンジは霧散した。

集団がヴィンゲゴーの動向を待ったこともあり一度はペースが緩んだが、しばらくして再度戦闘モードに。先頭グループは最終登坂のプラトー・ド・ソレゾンに入ると、独走していたシュミットをシモンズがパス。新たに単独でトップに立ち、逃げ切りの可能性に賭ける。

しかし、上りが本格化すると個人総合上位陣による争いとなり、自然とスピードが上がる。残り7.5kmからはポガチャルがみずから牽引する形になると、シモンズとのタイム差はあっという間に縮まる。やがてポガチャル、デルトロ、レムコの3人に絞られた精鋭パックは、逃げ残っていたアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ・XRG)のアシストを受けながらシモンズを追い抜いた。

© A.S.O./Thomas Maheux

3人はそのままの態勢で最後の1kmへ。デルトロによる2度のアタックはレムコがチェック。残り250mで今度はレムコがアタック。これをポガチャルが追ったが、レムコは前を譲ることなく一番にフィニッシュラインへ。大会中盤戦の重要ステージ位置づけられた一日でステージ優勝を挙げた。

レムコが個人総合2位浮上 ヴィンゲゴーは右鎖骨骨折

レムコがツールで勝つのは、個人タイムトライアルで争われた昨年の第5ステージ以来。一昨年の第7ステージの優勝もタイムトライアルで、初のロードステージでの優勝となった。

レース後のプレスカンファレンスで喜びを語ったレムコ。「いつも活躍が突出しているタデイに勝つことは本当に難しいこと。チャンスが訪れたときはできる限りのことを尽くさなければならない。ハードな山岳で勝ち切れたことは最高の経験だ」と笑顔を見せた。

© A.S.O./Charly López

この結果により、マイヨ・ジョーヌをキープしたポガチャルから5分差でレムコが個人総合2位に浮上。落車しながらも好走したデルトロが3位に浮上し、ヤングライダー賞のマイヨ・ブランをポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム)から奪っている。

なお、リタイアしたヴィンゲゴーは右鎖骨の骨折と複数の擦過傷を負ったことをチームが発表。自国デンマークのメディア取材に応じた本人は、「ときにロードレースではこんなことがある。鎖骨骨折で済んだことが何よりも幸いだった」とコメントしている。

ツール2026は第2週が終了。7月20日は期間中2回目の休息日で、21日からレースが再開。第3週初日の第16ステージは26.1kmの個人タイムトライアルが行われる。

ツール・ド・フランス2026 第15ステージ 結果

1 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)4:23:09″
2 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)ST
3 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)+0’06”
4 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)+0’58”
5 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)ST
6 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+1’57”
7 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)ST
8 フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)+2’00”
9 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ・XRG、イギリス)ST
10 クイン・シモンズ(リドル・トレック、アメリカ)+2’16”

個人総合成績

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)55:41:31
2 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)+5’00”
3 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)+5’58”
4 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)+6’23”
5 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+6’48”
6 フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)+7’28”
7 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)+9’38”
8 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+10’28”
9 トーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム、イギリス)+11’19”
10 ジョルダン・ジェガット(トタルエネルジー、フランス)+19’26”

ポイント賞

マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)

山岳賞

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)

ヤングライダー賞

イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)

チーム総合成績

リドル・トレック

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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