
グラベル体験!やくらいグラベルのグループライドで宮城の極上未舗装路と絶品エイドを満喫する
せいちゃん
- 2026年08月30日
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2026年8月22日と23日の2日間にわたり、宮城県加美町を舞台に開催された「HYSK GRAVEL CLASSIC YAKURAI 2026 presented by GRAVELKING」。日本初となるUCIグラベルワールドシリーズとして、世界への切符を懸けた白熱のレースが繰り広げられた翌日、23日には誰もが未舗装路の魅力を楽しめるファンイベント「グループライド」が開催された。
念願のやくらい取材へ! グラベル初心者がグループライドに挑むまで
8月の国内ビッグレースといえば、北海道ニセコでのUCIグランフォンド世界選手権と、このやくらいでのUCIグラベルワールドシリーズ。編集部の予算の都合や、自身の出場権獲得の無念(ツール・ド・ふくしまで力及ばず…)もあり、今回は「是が非でもやくらいへ!」と山口編集長に直訴。直前に取材行きが決定した。
「せっかくならレースに出てみないか?」というお誘いもいただいたが、なにぶん私は生粋のグラベル初心者。グラベルバイクを持っておらず、過去のグラベル経験といえば、昨年グラベルライドイベントに取材で行きシクロクロスバイクで挑み、激坂の下りで派手に吹っ飛んでジャージを破き、ヘルメットまで割って赤字を出したという苦いトラウマしかない。

準備期間もないためレース参戦は断念したものの、せっかくやくらいに行くのならあの素晴らしいグラベルを走ってみたい!ということで、インターテックより「Cannondale Topstone Carbon SL3 」をお借りし、東京都狛江市のスポーツバイク専門店「Bicicletta Shido」のチームの皆さんに混ぜていただく形で、グループライドのショートコースに出走することが叶った。
朝6時スタート!走りごたえたっぷりのショートコースへ
グループライドのスタート時刻はなんと朝の6時。国内のサイクルイベントとしてもかなり早い時間設定だ。前日はBicicletta Shidoの皆さんと早めに夕食を囲み、レースの取材記事を仕上げてすぐにベッドへ。当日は早朝3時半に起床して朝食を済ませ、5時前には会場入り。ブリーフィングを経て、朝靄が残るなかスタートラインに並んだ。

今回私が参加したグループライドのショートコースは、距離57.2km、獲得標高1,250m、グラベル率56%というレイアウト。普段グラベルを走り込んでいない身からすると「57kmで1,250mアップなら、ロードの感覚ならイージーかも?」と高を括っていたが、それが大きな勘違いであることに後々気づかされることになる。

スタート地点の商店街をパレードペースで抜け、いよいよ本格的なグラベル区間へと突入していく。ここは前日のレースでも使用された登り基調のセクションだ。
コース上には、道路の上を川が流れる「洗い越し」が合計6箇所も待ち受けていた。水が激しく流れているため路面状況が視認しづらく、うっかり穴や石に弾かれて吹っ飛ばないよう、基本の「後ろ重心」を意識して慎重に進む。また、シューズ内が浸水しないよう、川を渡る瞬間だけ足をペダルから離して高く上げるというテクニックも。ロードバイクでの雨天ライドや水たまり回避で身につけた小技が、こんな場面で活きるとは思わなかった。
トラウマ払拭の極上ダウンヒルと、プロのライン取りに感動
今回はBicicletta Shidoのメンバーに加え、インターテック石谷社長率いる「Intertec Gravel Team」の皆さんと一緒にパックを組んで走った。

序盤は登りが連続し、時折フロントタイヤが浮きそうになるほどの急勾配も現れる。ロードバイクならシッティングで淡々とこなせる勾配でも、未舗装路ではトラクションを抜かないようバランスを保つ必要があり「グラベルはゆっくり登るのもテクニックがいるな」と痛感。さらに速度が落ちると、宮城の豊かな大自然の恩恵(?)であるアブやブユの標的になるというおまけ付き。しっかりと虫除け対策をしてこなかったことを激しく後悔しながら、ペダルを踏み込んだ。

そして、いよいよやってきた下りセクション。過去の落車のトラウマが頭をよぎったものの、ここで「Cannondale Topstone Carbon 3 L」のキングピン・サスペンションとジオメトリーが生み出す圧倒的な安定感が私を救ってくれた。恐怖感は一切なく、むしろバイクの挙動を楽しみながら走ることができる。今回は45cタイヤにTPUチューブという組み合わせで、リム打ちパンクを恐れて空気圧を2.0barに設定していたが「これをチューブレスレディ(TLR)にして1.5barまで下げれば、もっと絨毯の上を走るように快適なんだろうな」と、走りながら機材のポテンシャルに想像を膨らませた。

さらに驚いたのが、一緒に走るIntertec Gravel Teamメンバーの豪華さだ。MTBダウンヒル等で活躍する永田純也さんや山本カズさんが、グラベルの下りを水を得た魚のようにハイスピードで駆け抜けていく。彼らの無駄のないダウンヒルフォームや、荒れた路面をいなす滑らかなライン取りを後ろから特等席で見学できたのは、このイベントならではの特別な体験だった。
胃袋を満たす絶品エイドと、謎の「ヒルクライム練習」
グラベルのアップダウンを越え、21.3km地点にある「田代エイド」に到着。ここには黄色いテントでお馴染みのMAVICによるニュートラルサービスカーが待機しており、トラブル対応の安心感を提供してくれていた。

エイドステーションの振る舞いも豪華そのもの。小雨が降ったり止んだりという生憎の天候で少し冷えた身体に、地元・山形県川西町の「菓匠庵 錦屋」の羊羹の優しい甘さが染み渡る。


胃袋を満たして再びコースへ戻ると、荒々しかった路面も徐々に走りやすいスムースなグラベルへと変化していき、未舗装路特有の「浮遊感」を心から楽しめるようになってきた。
気持ちよく下り区間を終えると、コース沿いの自動販売機でピットイン。お決まりの缶コーラで糖分とカフェインをチャージし、ルートは5kmに及ぶ舗装路の登り区間へと入る。

するとここで、ロード乗りの悲しい性(さが)が発動してしまう。Bicicletta Shidoの安藤店長、雨貝さんと私の3人で、なぜか練習のようなハイペースなヒルクライムがスタート。そこへDT Swissの安達さんや相見さんも負けじと喰らいついてくる。グラベルイベントの和やかなグループライドの途中に、突如としてロードの練習気分も味わえるという、一度で二度美味しいセッションとなった。
グラベルソファでの記念撮影、そして沼への第一歩
登りをクリアした先には、大自然のなかに突如現れる「グラベルソファ」が設置されていた。広大な草原とやくらいの山をバックに、Bicicletta Shidoの皆で自転車を掲げて記念撮影。こうした遊び心がコース上に散りばめられているのも、このイベントの素晴らしいところだ。


再びグラベルを下り、49.3km地点に設けられた最後の「KAMIFUJIエイド」へ。ここでは冷たくて甘い特製スムージーをいただき、疲労した身体をリフレッシュ。ここまで来れば、フィニッシュはもう目の前だ。

最後は里山の長閑な風景が広がる下り基調の平坦区間を、仲間たちと語り合いながら気持ちよく駆け抜けてフィニッシュラインへ。受付でブルベカードに最後のスタンプを押してもらい、完走の証である特製カウベルを見事ゲットした。


終わってみれば、過去のトラウマを完全に上書きするほど、最高に楽しい1日だった。ほぼ初めての本格的なグラベルライドだったが、インターテックの優れた機材サポートと、Bicicletta Shidoの皆様の温かい導きのおかげで、未舗装路の本当の魅力を知ることができた。

帰宅後、私は各自転車メーカーのホームページでグラベルバイクのラインナップを眺め、すっからかんの自分のお財布と交互に見比べるという危険な症状を発症している。さらに、周囲の自転車仲間には「来年のやくらいは絶対にみんなで出よう!」と、さっそく布教活動を開始してしまった。
速さを競うだけではない、自然と遊び、仲間と笑い合い、道なき道を突き進む冒険感。グラベルという「新しい自転車の楽しみ方」を教えてくれたHYSK GRAVEL CLASSIC YAKURAIに、心から感謝したい。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 文と写真:相原晴一朗 写真:田辺信彦
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PROFILE
せいちゃん
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている



















