
「4年保証」と徹底した国内修理で長く愛用できる エリートのスマートトレーナーサポート体制に迫る|ELITE
Bicycle Club編集部
- 2026年11月02日
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インドアサイクリングが日常のトレーニングとして定着した現在、各ブランドから登場しているスマートトレーナーは、負荷強度や静粛性、アプリ連携といった基本性能において成熟期を迎えている。スペック表の数値だけでは差別化が難しくなった今、トレーナー選びにおいて最も重要な基準となりつつあるのが「購入後の安心感(アフターサポート)」だ。
「故障したら本体丸ごと交換」「修理は海外送りになり長期間戻ってこない」といった不安の声も聞かれるなか、イタリアの老舗ブランド「ELITE(エリート)」と国内正規代理店のカワシマサイクルサプライは、新製品を中心とした「4年保証(※注1)」や国内専任スタッフによる「内部まで踏み込んだ修理・オーバーホール」など、業界屈指の手厚いサポート体制を敷いている。今回は、エリート本国の開発哲学と、日本のユーザーを支える国内サポートの最前線に迫る。
※注1:2026年11月時点でJUSTO 2、AVANTI、RIVOの3モデルが4年保証の対象
創業40年超、ハードとソフトの両輪で進化を続けるイタリアンブランド

イタリア・ヴェネツィアから約80km離れたパドヴァ県フォンタニーヴァ。戦前に石やレンガを焼いていたという古い炉を創業者アメリゴ・サルトーレ氏が修復した趣あるレンガ造りの本社オフィスで、エリートの製品群は生み出されている。
同社の歴史は今から40年以上前、アルミ製のボトルケージと自動車用のルーフラックの製造から始まった。その後ボトルの製造へと乗り出し、ツール・ド・フランスのオフィシャルボトルを独占供給したことでグローバルブランドとしての地位を確立。現在は「ホームトレーナー」と「ハイドレーション(ボトル・ケージ)」を2大柱として世界中のサイクリストを支えている。
エリートに勤めて30年になるというディエゴ・カンパニョーロ氏は、現在の同社の開発体制についてこう語る。
「現在、私たちのR&D(研究開発)部門は大きく2つに分かれています。ひとつは約10名のエンジニアが所属するメカニカル(機械)部門、もうひとつは同規模の人数で電子制御やソフトウェア開発を担うエレクトロニクス部門です。さらに外部のソフトウェア企業とも協力し、ZwiftやMyWhoosh、Rouvy、TrainerRoadといった主要なインドアサイクリングプラットフォームと直接的なパートナーシップを築いています。既存のあらゆるソフトウェアに対して、ハードウェアの観点から市場で最も優れたソリューションを提供することが私たちの使命です」(ディエゴ氏)。

既存製品を購入後も進化させる「ファームウェアアップデート」とモジュール設計
エリートが重視している「長く使い続けられる製品づくり」を象徴するのが、専用アプリ「Upgrado(アップグラード)」を通じた継続的なファームウェアアップデートと、製品のモジュール設計だ。

ちょうど取材の前日にも、ベルトドライブ式スマートフレーム「SQUARE(スクエア)」の大型ファームウェアアップデートが実施されたばかりだった。ディエゴ氏は実機を示しながら、その進化を説明する。
「今回のアップデートにより、Zwift上では本体画面上に1〜24速のシーケンシャルギア表記が可能になったほか、ハンドル部のボタンが『Zwift Click』のように機能し、手元でメニュー操作や切り替えができるようになりました。さらに大きなトピックとして、エリートのインタラクティブトレーナーだけでなく、TacxやWahooといった他社製の主要なトレーナーとも互換性を持つようになったのです」(ディエゴ氏)。
一体型のスマートバイクは将来的に新しい技術が登場した際に丸ごと買い替える必要があるが、SQUAREは「モジュールコンセプト」を採用している。手持ちの「SUITO」や「DIRETO」シリーズはもちろん、最新の「JUSTO 2」「AVANTI」「RIVO」、さらには将来登場する新型トレーナーへと「負荷ユニット=トレーナー本体」(およびフリーボディに装着するスプロケットに代わるドライブパーツ)だけを載せ替えてアップグレードできるため、結果として長期的なコストパフォーマンスに優れているのだ。また、フロントフォーク部を「RIZER(最大+20%〜-10%の傾斜再現&ステアリング機構)」に置き換えたり、スマートファン「ARIA」と連携して手元ボタンで風量を調整したりと、システム全体の拡張性も確保されている。
「基板を搭載しているモデルに関しては、かなり以前のモデルであってもアップデートデータが提供されています。アプリの『Upgrado』に接続すれば自動で更新通知が届く仕組みになっており、DIRETOの機能拡張や今回のSQUAREのように、購入後もソフトウェアの力でハードウェアを進化させられるのがエリートの強みです」(カワシマサイクルサプライ・清原裕介氏)。
日本の熱意が本国と共鳴!徹底した「分解修理・診断」の歴史と「4年保証」の誕生
ハードとソフトの両面で進化を続けるエリート製品だが、室内で大量の汗をかき、高負荷を受け止めるスマートトレーナーは、どうしても経年による消耗やトラブルのリスクと隣り合わせだ。そこで圧倒的な安心感をもたらすのが、カワシマサイクルサプライによる国内サポート体制と、新製品を中心に導入された「4年保証(※注1)」である。
実はこの「4年保証」の誕生の裏には、国内サポートを担当する清原氏の7年間にわたる地道な取り組みがあった。
「私が入社した7年前は、エリート本国も細かい分解修理は推奨しておらず、『保証期間内であれば本体交換、期間外は基本的には対応しない』というスタンスでした。しかし日本のユーザー様に長く安心して使っていただくため、『日本国内でなんとか修理対応したい』と本国と粘り強く交渉を重ねたのです。本国から内部マニュアルや技術資料を取り寄せ、国内で内部構造まで踏み込んで分解・修理ができる体制を一から構築しました。本国の専任スタッフとも時差を合わせて毎日のように情報共有を行っており、こうした日本での修理実績とノウハウの蓄積があったからこそ、今回の『4年保証』の導入に至ったのではないかと思います」(清原氏)。

保証期間が終了したモデルであっても、有償での修理やオーバーホールに幅広く対応している。「基本的にメーカーから供給されている補修パーツはすべて交換・修理対応が可能です。他モデルと共通のベアリング類であれば10〜15年レベル、モデル専用の電子基板やレバー類であっても5〜10年弱はパーツを保有し、可能な限り対応しています。もし補修パーツリストに載っていない部品であっても、社内の展示機や廃番品から『部品取り』をして復活させることもあります」と清原氏は語る。預かってから返却までの期間も「多くは1週間以内(5〜7営業日以内)」というから心強い(※海外通販等で購入された並行輸入品は国内サポートの対象外)。
実際の修理現場で見られる「3つのケーススタディ」と費用感
では、実際に寄せられる修理依頼にはどのような症状が多く、保証期間外の有償修理ではどの程度の費用がかかるのだろうか。清原氏によると、最も多いトラブルは「異音」「ベルトラインのブレ」「内部のサビ」だという。
通常、修理価格は個体の状態によって変動するため一般公開はされていないが、今回は修理を検討する際の「ひとつの目安(参考価格)」として、代表的な3つのケースと内部のメカニズムを公開いただいた。なお、重度のオーバーホールであっても単体の修理で3万円台半ばを超えることはほぼない(それを超える重傷の場合は新品への買い替えを提案する)とのことだ。
【Case 01】走行中の「ゴリゴリ・ガラガラ音」と振動(DIRETO XR)
- 症状:ペダリング中にゴリゴリ、ガラガラといった異音と振動が発生。
- 原因:メタルテンショナーの錆と、ベルトラインの歪み・ブレ。原因はトレーニング中の「汗」や湿気による水分が内部へ侵入し、テンショナー内部のベアリングを錆びさせてしまったこと。さらに、内部ホイール中央のハブ部分(3か所)にクラック(ひび割れ)が生じ、正常に回転しなくなっていた。
- 対処内容:メタルテンショナーのオーバーホール、および内部ホイールの交換。
- 参考修理工賃: 34,200円(重度なオーバーホール・ホイール交換を伴う場合の目安)


ダイレクトドライブ式のトレーナーは、テンショナー側とベルト側の双方に細かい溝が切られており、それらが噛み合うことで人間の強大な踏力を伝達している。
「基本的にはズレ防止のガイドパーツが付いていますが、強い衝撃などが加わってベルトが溝から『1コマ』でもズレたまま強い踏力で回し続けると、ベルトは横方向ではなく縦方向に、まるで『さけるチーズ』のように端から裂けてささくれてしまいます。また、過去に年間3万kmほど乗るヘビーユーザーの方で、ベアリングの異音が出たまま1年ほど放置し、3年目に送られてきた時には内部がサビサビで全損寸前だったケースもありました。使えなくはないからと放置せず、音が大きくなり始めた段階で交換・オーバーホールするのが鉄則です」(清原氏)。
なお、交換用のベルトやテンションプーリーのキットは、正確な張力調整や専門技術を要するため一般販売はされておらず、すべて預かり修理での対応となる。ホイール交換を伴わない「ベルト・テンションプーリー交換」の費用感は、11,800円+往復送料ほどが目安だ(※参考価格)。
【Case 02】走行中の軋むような異音(SUITO)
- 症状:ペダリング時にギシギシと軋むような異音が発生。
- 原因:スプロケットの奥でボディを留めている「45mmの薄型ナット」の緩み。このナットは構造上ホイールと共回りするため、長期間の使用とともに少しずつ緩んでくることがある。
- 対処内容:専用工具を用いた45mmナットの増し締め、および緩み止め剤(ロックタイト)の塗布。
- 参考修理工賃:4,700円

【Case 03】アプリとのペアリング・通信不調(DIRETO XR)
- 症状:Zwiftなどのアプリと突然BluetoothやWi-Fiでペアリングできなくなった。
- 原因:電子基板の不具合(または内部センサーと基板をつなぐケーブルの断線)。テスト用の正常な基板に繋ぎ変えて検証し、基板自体のトラブルと特定。
- 対処内容:各個体のシリアルナンバーに即した専用プログラムをインストールした新しい基板への交換。
- 参考修理工賃:21,200円〜23,600円


修理後はすべて「トータルメンテナンス&実走テスト」を実施

修理で預かった個体は、該当箇所の修理後に必ず全体のトータルメンテナンスと実走テストが行われる。もしヒアリング内容以外の箇所に不具合や消耗が見つかった場合は、ユーザーへ報告した上で希望があれば追加修理を行うフローが徹底されているため、修理を依頼する際は「他の気になる違和感」もまとめて相談するのがおすすめだ。
トレーナーの寿命を劇的に延ばす「4つのセルフケア術」
最後に、高価なスマートトレーナーをトラブルから守り、長く快適に使い続けるためにユーザーが自宅で実践すべきポイントを清原氏に教えていただいた。

1. 「スウェットネット(汗止めカバー)」でフレーム伝いの汗を遮断する

「汗が内部に侵入する経路は、ライダーから直接飛んだ汗が回転するホイールに巻き込まれるパターンと、トップチューブに落ちた汗がシートステーやスプロケットを伝って内部のベルトへ流れ込むパターンの2つがあります。プーリーや樹脂ホイールのクラック、ベアリングの錆を防ぐためにも、フレームに装着するスウェットネットは必ず使用してください」(清原氏)。
2. トレーニング後の「換気」を徹底する(特に冬場の結露に注意!)

密閉された部屋でローラー台を回すと、室内の湿度は一気に跳ね上がる。直接汗がかからなくても、回転するホイールが湿った空気を取り込んで内部を錆びさせてしまうのだ。「特に注意したいのが冬場です。暖房をつけた部屋で汗だくになって走り、終わった後に暖房を切ってそのままにしておくと、室温が急激に冷えてトレーナー内部が結露します。走行後は必ず部屋の換気・除湿を行ってください」(清原氏)。
3. 清掃時は「パーツクリーナー」の多用厳禁!水拭き・中性洗剤が基本
駆動部や本体の汚れを落とそうと、自転車用のパーツクリーナーを吹きかけるのはNGだ。強力な溶剤がトレーナーの樹脂パーツを傷め、クラックの原因になってしまう。日常の清掃は、固く絞った布での水拭きや、薄めた中性洗剤での拭き取りを心がけよう。
4. 一般ユーザーができるメンテナンス「フリーボディのグリスアップ」
機械的なメンテナンスとして一般ユーザーに推奨されているのが、フリーボディ内部のラチェット部への定期的なグリスアップだ。

「フリーボディを外す際、先端のロックナットは工具をかける切り欠きが薄くナメやすいため、モンキーレンチ等で『ヌルッ』と力をかけず、工具を密着させて一気に『ポン』と緩めるのがコツです。それを外せばフリーボディは手でスポンと引き抜けます。なお、昔のモデルはクイックリリースとスルーアクスルを切り替える際にこのナットを外していましたが、現行モデルはこのナットを外さず、上からスルーアクスル用アダプターを差し込むだけで変換できる構造になっていますので、普段の付け替えでこのナットを外す必要はありません」(清原氏)。
違和感を覚えたら、まずは販売店または公式サポート窓口へ
万が一、使用中に異音や振動、通信不良などの違和感を感じた場合は、まずカワシマサイクルサプライのホームページ内にある「トレーナーのトラブルシューティング」ページを確認しよう。症状に応じた確認ポイントや対処法が分かりやすくまとめられている。
なお、点検や修理を依頼する際の費用請求はすべて購入元の販売店経由となるが、トレーナー本体の発送についてはユーザーからカワシマサイクルサプライへ直接送る形でも柔軟に対応しているとのこと(保証期間内はユーザーから着払い発送/代理店から元払い返送、保証期間外はユーザーから元払い発送/代理店から着払い返送)。
本国イタリアの確かな開発力と、日本のユーザーに寄り添うカワシマサイクルサプライの「4年保証&徹底した国内修理体制」。購入後の安心までしっかりとパッケージングされたエリートのスマートトレーナーなら、これから先も何年にもわたって、あなたのインドアトレーニングを力強く支えてくれるはずだ。
問:カワシマサイクルサプライ
https://www.riogrande.co.jp/brand/100/
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