登山好き必見!北アルプスの目的別おすすめ6ルート<9選+α>ガイド【テント泊登山】

PEAKS 編集部
- 2025年08月20日
4.生ビール好きにおすすめ!山頂で乾杯ルート
山頂で飲む生ビールは格別!ビールが飲める山小屋を目的地にしたルートを紹介します。
①【爺ヶ岳】絶景を堪能したのち、焼きたてピザをビールで流し込む
爺ヶ岳は南峰、中峰、北峰の3つのピークからなる山で、最高峰の中峰からは鹿島槍ヶ岳、立山、剱岳、針ノ木岳、蓮華岳まで見渡せる360度の大展望が魅力。登山道は明瞭で歩きやすく、途中には駅見岬や水平道など展望の良いポイントもある。種池山荘から先はチングルマなどの高山植物が咲き誇るポイントもある。種池山荘のテント場は樹木に囲まれていて眺望は期待できないので、ビールとピザは小屋前のテーブルで楽しもう。
・1泊2日
・標高:2,670m
・歩行時間:10時間40分
・距離:16km
・上り:1,645m|下り:1,643m

【種池山荘テント場】ココで飲めるのはキリン一番搾り!
ピザの販売は午前10時から。ピザの焼き上がりに合わせて山行計画を立てよう。テント場は要予約。
・特定日要予約、約35張り
・営業期間:10月14日(2025年度)
・料金:2000円(大人一名)
・管理山小屋:種池山荘
・営業期間連絡先:0261-22-1263(予約専用)/080-1379-4042(山小屋直通)
アクセス
マイカーの場合、長野道安曇野ICから扇沢駐車場まで約1時間。公共交通機関の場合、JR大糸線信濃大町駅からバス約40分。扇沢下車。
アドバイス
扇沢を起点とする柏原新道は、よく整備された登山道で勾配も比較的緩やか。水平道からは針ノ木岳方面を景色が見られる。種池山荘と背景の山々のコントラストが美しく写真撮影必須。
②【常念岳】北アルプスの山々を360度見渡せる大パノラマが広がる
登山道は整備されていてポピュラーなルートだが、標高差が1,500m超とやや大きいので心して登ろう。序盤は美しい樹林帯と沢沿いの道で新緑や紅葉の時期はとくに美しい。胸突八丁をすぎると傾斜がきつくなるのでがんばって登ろう。常念小屋から常念岳までは片道1時間半。登るタイミングはそのときの状況で判断を。常念小屋のテント場では朝も昼も夜も槍ヶ岳や穂高連峰の壮大な眺めが楽しめる。生ビール片手にのんびりとすごそう。
・1泊2日
・標高:2,857m
・歩行時間:10時間
・距離:14km
・上り:1,633m|下り:1,633m

常念小屋で飲めるのはアサヒスーパードライ!

生ビールはもちろんだが、常念天然水でドリップしたコーヒーもおすすめ。テント場は予約不要。
・景色よし、約70張り
・営業期間:11月3日(2025年度)
・料金:2000円(大人一名)
・管理山小屋:常念小屋
・営業期間連絡先:090-1430-3328
アクセス
2025年6月現在、路肩崩落に伴いマイカーでの通行ができないので注意。公共交通機関の場合、JR大糸線豊科駅または穂高駅からタクシーで一ノ沢の林道崩落箇所まで約30分。そこから登山口まで徒歩約40分。
アドバイス
一ノ沢ルートは歩きやすいが標高差が大きいので無理せず休憩しながら登ろう。常念小屋から常念岳までは片道1時間半の行程。1日目に無理はせず2日目の早朝に目指す計画もありだ。
5.温泉でゆっくり癒されたい!温泉ルート
登山の疲れを温泉で癒したい方におすすめのルートです。
①【みくりが池温泉】人気のキャンプ地と立山三山を満喫
1日目は余裕のスケジュールでテント場での時間を満喫し、2日に立山三山周回、最後に温泉ですっきりしてから下山するルート。室堂から雷鳥沢キャンプ場までは1時間ほど。1日目は雷鳥沢ヒュッテの日帰り温泉を利用するのもいい。体力に不安がある場合は別山に進むのはやめて真砂岳に進み、大汝山、雄山、一の越、雷鳥沢ヒュッテへと周回しよう。逆回りもあり。天候や体力に合わせて臨機応変にルート変更しよう。
・1泊2日
・標高:2,410m
・歩行時間:8時間30分
・距離:13km
・上り:1,181m|下り:1,178m

浴室の窓からは大日連山を望める

日本でもっとも標高の高い(2,410m)、雲上の温泉として知られる。源泉100%掛け流しのぜいたくな湯!
【雷鳥沢キャンプ場】
・景色よし、約300張り
・営業期間:10月下旬(2025年度)
・料金:1000円(大人一名)
・管理山小屋:雷鳥沢野営管理所
・営業期間連絡先:090-1632-9141
アクセス
マイカー、公共交通機関ともに扇沢駅から関電トンネル電気バス、ケーブルカー、ロープウェイ、立山トンネルトロリーバスを乗り継ぐ。立山駅からはケーブルカー、バスを乗り継ぐ。
アドバイス
雷鳥沢キャンプ場を拠点に、その日の気分や体力に合わせてルートを決められる。1日目に余裕があるので、別山や一の越までピストンしたり、みくりが池温泉を楽しむのもいい。
②【蓮華温泉】泉質や趣の異なる複数の野天風呂が点在
栂池自然園から白馬大池を経由して蓮華温泉へ下るルート。白馬大池山荘の周りはチングルマの群生地で最盛期は幻想的な雰囲気に。きれいな池のほとりで一泊したらいざ山中の温泉へ。「仙気ノ湯」まではなかなかの登り返しがあるが、がんばったかいのある絶景に出会える。山中にはほかにも「黄金湯」「薬師湯」「三国一ノ湯」があり、それぞれ開放的な空間で温泉を楽しめる。最上部の「薬師湯」は女性だけでの利用が可能。
・1泊2日
・標高:1,475m
・歩行時間:6時間15分
・距離:9km
・上り:736m|下り:1,083m

全部入りたくなるユニークな山中温泉

標高1,475mにある「仙気ノ湯」。蓮華温泉ロッジの内湯もおすすめ。
入浴料:外湯のみ500円、外湯+内湯1000円
【白馬大池山荘】
・要予約、景色よし、約50張り
・営業期間:10月14日(2025年度)
・料金:2000円(大人一名)+2000円(テント1張り)
・管理山小屋:白馬大池山荘
・営業期間連絡先:0261-72-2002
アクセス
マイカーの場合、上信越道長野ICまたは長野道安曇野ICから約3時間30分。公共交通機関の場合、JR大糸線白馬駅からバスまたはタクシーで栂池高原下車。長野駅から直通バスあり。
アドバイス
白馬大池山荘に到着後、体力的に余裕があったら小蓮華山へ足をのばしてみよう。蓮華温泉ロッジからJR平岩駅までの白馬岳登山バス(蓮華線)の運行は期間限定なので要確認。
6.ヤマップの活動日記で投稿数が多いモデルコース
登山アプリYAMAPの活動日記で投稿数の多い人気のモデルコースを紹介します。
1位【合戦尾根~燕岳往復コース】テント泊でも小屋泊でも不動の人気
王道ルートでも紹介した中房温泉から燕岳山頂をピストンするルートが人気。人気ルートゆえにテント場の予約が難儀するが山小屋のホームページで予約状況を把握できるので諦めずにチェックしよう。北アルプス三大急登のひとつとして知られるが、コースタイムが短いので急がず進もう。
・1泊2日
・歩行時間:8時間10分
・距離:9.3km
・上り:1,425m|下り:1,425m

アクセス&アドバイス
王道ルート参照。
2位【八方池山荘~唐松岳往復コース】アプローチが楽で北アデビューに最適
絶景ルートでも紹介した唐松岳ピストンコース。八方尾根から唐松岳に向かうルートは上りと下りにリフトとゴンドラを利用でき、標高760mから一気に1,800m付近まで上がれる。山頂までの標高差も約800mと、楽なアプローチで登山時間も短く、難所もないため、初心者の北アルプスデビューとして人気だ。
・1泊2日
・歩行時間:6時間19分
・距離:9.5km
・上り:1,003m|下り:1,003m
アクセス&アドバイス
絶景ルート参照
3位【栂池自然園~乗鞍岳~白馬岳往復コース】一度は訪れたい白馬エリアの名峰
北アルプスでも屈指の高山植物の宝庫として知られる白馬岳周辺。グリーンシーズンになると多くの人でにぎわう。白馬岳を通るルートは白馬岳頂上山荘に宿泊して猿倉へ下る方法もあるが、雪渓(白馬大雪渓)歩きが必須になるので、テント泊ビギナーはピストンで栂池に戻るルートを選択しよう。
・1泊2日
・歩行時間:11時間32分
・距離:18.6km
・上り:1,736m|下り:1,736m

アクセス
マイカーの場合、上信越道長野ICまたは長野道安曇野ICより約80分。公共交通機関の場合、JR大糸線南小谷駅よりバス、栂池高原スキー場下車。
アドバイス
ピストンルートの場合、テント泊の場合は白馬大池山荘のテント場での宿泊、小屋泊の場合は白馬山荘での宿泊がおすすめだ。
4位【上高地~涸沢カール往復コース】ピークではなく絶景のテント場が目的地
歩行時間も長い、標高差もなかなか、ピークを目指さないのに一度は行ってみたいという声が多い涸沢カール。氷河の侵食によって削り取られたお椀状の巨大な谷で、最大標高差約900mと規模は日本最大級。夜は満天の星空、早朝はモルゲンロートを拝むことができる最高のロケーション。写真撮影は必須だ。
・1泊2日
・歩行時間:10時間37分
・距離:30.7km
・上り:1,335m|下り:1,335m

アクセス
マイカーの場合、沢渡駐車場に停めて上高地バス停までタクシーもしくはシャトルバスを利用する。公共交通機関の場合、松本鉄道上高地線新島々駅からバス。
アドバイス
登山シーズン中はマイカー規制があるので、新宿、渋谷、大阪、京都、長野から出ている直通バスを予約・利用するとスムーズ。
※この記事はPEAKS[2025年9月号 No.174]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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