
スズメバチノスコチャン|旬のライチョウと雷鳥写真家の小噺 #67
高橋広平
- 2026年06月15日
あっというまに新緑の時期も駆け抜けて、夏の気配が色濃くなってきた。ありがたいことにこの夏もイベントに事欠かないシーズンになりそうで、情報は随時、自身のSNSなどで発信していく予定だ。ひとりでも多くのライチョウファンが生まれるように尽力していきたいと思っている。
編集◉PEAKS編集部
文・写真◉高橋広平
スズメバチノスコチャン
実地では繁殖期の後半戦。メスのライチョウは番いのオスが懸命に死守する縄張りの秘密の場所で、日々ひたすらに産み揃えた愛しの卵たちに自らの熱を与え続けている。例年であれば6月中旬だとまだまだ抱卵真っ最中なのだが、今年は残雪が少ないうえに気温も高く雪溶けが早いため、もしかすると予想外なタイミングで孵化が始まるかもしれない。
それはそうと、いかに母鳥とはいえども食べずに熱を生むことはできないため、1日のうち朝と夕のおおよそ決められた時間に食事に出かける。この際、番いのオスが付かず離れずの場所で妻の食事を見守るのだが、この時期にふたりがいっしょにいる場面というのはこの食事の時のみと言ってもいい。オスは縄張りの見張りのために比較的見晴らしの良い場所でじっとしていることが多く人目につきやすいのだが、対してメスは表に姿を出さないので普通の山域では出会うことは稀である。なればこそ、ご尊顔を拝めたときのうれしさはひとしおである。
今回の一枚は、そんな私のなかではレア枠扱いの抱卵期のメスのライチョウを写したもの。よく撮影中の個体や撮れた作品のなかの子にプライベートネームを付けることがあるのだが、切り取ったこの瞬間のこの子の姿はまるで……スズメバチの巣。そこから名付けたこの一枚は「スズメバチの巣子ちゃん」つまり「スズメバチノスコチャン」というわけである。ちなみにちょっと長いので「ノスちゃん」と呼ぶことのほうが多いと付け足しておこう。今年の夏も元気なヒナたちを連れての再会を期待している。

今週のアザーカット


きたる2026年6月28日(日)に開催される第3回信州山フェスタにて、私が代表をしている「作家結社 雷鳥」の旗揚げ出展をすることになりました。私とライチョウ愛と熱量を共有する多ジャンルの有志の作家たちが、ライチョウをモチーフとした製作物をいっしょに発表、販売します。興味のある方はぜひ当日お越しいただければと思います。
「作家結社 雷鳥」は平たく言えば「ライチョウ好きな作家のクラブ活動」でして、世の中により良いライチョウ作品を提供していければと立ち上げたユニットです。同結社の活動は私や各作家ののSNSなどから発信していく予定なので「作家結社雷鳥」を調べてみてください。
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PROFILE
PEAKS / 雷鳥写真家・ライチョウ総合作家
高橋広平
1977年北海道生まれ。随一にして唯一のライチョウ専門の写真家。厳冬期を含め通年でライチョウの生態を紐解き続けている。各地での写真展開催をはじめ様々な方法を用いて保護・普及啓発を進めている。現在「長野県内全小中学校への写真集“雷鳥“贈呈計画」を推進中。 Instagram : sundays_photo
1977年北海道生まれ。随一にして唯一のライチョウ専門の写真家。厳冬期を含め通年でライチョウの生態を紐解き続けている。各地での写真展開催をはじめ様々な方法を用いて保護・普及啓発を進めている。現在「長野県内全小中学校への写真集“雷鳥“贈呈計画」を推進中。 Instagram : sundays_photo




















