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荒川50kmを北上!名物ジェラートの榎本牧場を目指す王道サイクリング|夏福ゆるポタエッセイ vol.31

連載「まんが家・夏福のゆるポタコミックエッセイ」。今回は関東サイクリストの定番コース、荒川を北上する約50kmの旅へ。千住新橋をスタートし、老舗和菓子店「菓子工房大江戸」のスイーツやサイクリストのオアシス「キッチンとれたて」、歴史ある渡船場跡を巡ります。彩湖の名物フォトスポット「ニョロニョロ」を経て、古民家カフェ「BigMouse」でスパイシーなカレーを堪能。終盤には深さ10cmの泥水たまりに水没するまさかのアクシデントに見舞われながらも、大人気「榎本牧場」の絶品ジェラートを目指します。笑いと発見が詰まった川沿いの一日です。

かつての「大冒険」の地、荒川へ再び

ちょうど一年前「夏福のゆるポタコミックエッセイvol.19」で、初めて江戸川を走ったことを書きましたが、今回は関東のサイクリストにとってメジャーな川沿いコース第二弾。漫画や雑誌、ブログやYouTubeでもよく見る、サイクリストに人気の荒川へとやって来ました。

夏福のゆるポタコミックエッセイvol.19はこちら▼

まんが家夏福の、「初めての江戸川サイクリング」|夏福ゆるポタエッセイ vol.19

まんが家夏福の、「初めての江戸川サイクリング」|夏福ゆるポタエッセイ vol.19

2025年10月25日

埼玉県から東京都、そして東京湾に流れ出る荒川は、総延長173kmの一級河川。その一部の約50km、千住新橋のあたりから荒川左岸を埼玉県方面へと北上します。

荒川へ自転車で来るのは実は初めてではありません。大昔、荒川の近くに住んでいたことがあり、ママチャリで来たことがありました。家から荒川までは直線距離4〜5kmほどだったんですが、当時はGoogleマップなどなく、迷わないよう幹線道路をひたすら走って行ったため、およそ10kmほど。

川へ到着しても、来た道がわからなくならないように付近をうろついただけでしたが、その頃の自転車は近所の駅やスーパーへ行く足でしかなかったため、往復20kmなんて距離は大冒険で、今でもあの時の達成感と、帰り道の日が沈みかけた夕暮れ、足とお尻の痛みを思い出します。それが今では距離感がバグってしまい、10〜20kmは近所という感覚。

夏から秋にかけての長雨が終わり、久しぶりの快晴!青空が見えるだけでウキウキしてしまいます。

ただ、降り続いた雨の影響で、いたるところ道いっぱいに染み出した水たまりがあり、河川敷のグラウンドで試合をするスポーツ少年たちや、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどを楽しむ人たちも多いので、周りに気をつけてゆっくり走ります。

千住新橋からしばらくは河川敷側の道を走ったんですが、思いのほか川が見えず。

堤防上は眺めも良く、河川敷の先の川が見えました。道の脇には「荒川之下流三十景」と書かれた看板が。これは海からの距離標に沿って両岸に設置されているそうで、地域の見どころなどが描かれていました。のんびりお散歩がてら巡るのも楽しそうですね。この先も何箇所か看板を発見しました。

「菓子工房大江戸」の上品和菓子でエネルギー補給

走り出して間もないですが、ひとつ目の立ち寄りスポットへ到着。堤防のすぐ下、ちょうどお店の目の前に階段があるので抱えて降ります。軽い小径車でよかった。

創業1948年の菓子工房大江戸さんは、地域はもちろん、東京土産としても親しまれている老舗の和菓子屋さんで、甘さが控えめでとっても上品なあんこを使用したきんつばやどら焼きが絶品。伝統の味だけではなく、クリームをたっぷりサンドしたドラレーヌや、あんこ・チョコレート・ラムレーズンが合わさった人形焼など、和洋を味わえる商品もあります。個売りもあるので、サイクリングのお供にもピッタリですよ。荒川を眺めながらいただくのも、お土産をお家でゆっくりいただくのもいいですね。

高速道路の江北ジャンクションをくぐる。一般道の橋や鉄道橋とは違った迫力があります。

サイクリスト御用達の聖地「キッチンとれたて」と農業公園

千住新橋から約7km、サイクリスト御用達の「キッチンとれたて」に到着。軽食の販売やレストランがあり、敷地内で栽培されたとれたての野菜を味わえます。

入り口付近のサイクルラックにはたくさんの自転車、ベンチにはサイクリストの姿が。自転車関係の様々な媒体で見ていたので「ここがあの有名な…!」と内心、聖地に来た感動でいっぱいでした。

キッチンとれたての裏には旧和井田家住宅と旧増野製作所長屋門、都市農業交流館、農業公園などがあり、散策するのも楽しい。

旧和井田家住宅の中を見学することはできませんが、説明板には間取りや室内、お勝手やお手洗いの写真も載っていて、入らずともよくわかるようになっていました。「住宅の歴史」には、地震や空襲での倒壊は免れたが、関東大震災で傾いた建物が東京大空襲の爆弾の爆風で戻ったとの言い伝えがある、など書かれていて興味深かったです。

キッチンとれたてから先は埼玉県へと入ります。大昔の私だったら、自転車で県を跨ぐなんて考えもしませんでした。開放的な道を進みます。

旧中山道の歴史を感じる戸田・早瀬の「渡船場跡」巡り

戸田橋付近でちょっと見たいものがあったので、堤防からすぐ脇を走る公道へ。

中山道戸田渡船場跡。その昔、江戸川と同じく荒川も江戸防衛のため橋が架けられず、川を渡るには船を使うしかありませんでした。設置されている石碑のすぐ脇に伸びる道が旧中山道で、この戸田の渡しは、板橋宿と蕨宿の間にあり、交通の要だったそう。明治8年に木製の戸田橋ができるまで利用されていたそうです。

戸田渡船場跡の堤防上からの眺め。

なぜか渡船場跡が好きなわたくし、この後も3箇所立ち寄ります。お付き合いください。時代や街並み、風景が変わっても、石碑や看板を残してくれているのは嬉しいですね。

笹目橋のアンダーパス手前にある早瀬渡船場跡。こちらも旅人の往来や、対岸への出作地への農業用渡船にも利用されていたんだそうです。

彩湖の名物「ニョロニョロ」と彩湖自然学習センター

荒川のすぐ脇にある湖、彩湖へとやって来ました。サイクリストのフォトスポットとして有名な通称「ニョロニョロ」のある水辺のステージ、このわらびのような柵と自転車を撮るのが彩湖での慣わしのようです。私も例に漏れず記念写真。「あのニョロニョロだぁーーー!」と内心興奮していたものの、人気スポットのため人が多く、無言真顔で愛車とニョロニョロを連写しました。

この水辺のステージ近くにある彩湖自然学習センターでダムカードがもらえますよ。施設内では、荒川の生き物や自然、治水などを知ることができます。階ごとに違う展示になっていて、1階部分だけ見学しましたが、ブリンブリンに太く大きな鯉やこちらも大きな亀などが展示されており、狭いながらも見応えがありました。いつか時間があるときに他の階もゆっくり見てみたいです。

水辺のステージから彩湖のすぐ脇を北へと向かいます。この辺りは河川敷と同じく、ウォーキングやジョギングなどでたくさんの人が道を行き来している他、キャンプやバーベキュー場などを利用する人も多く、特に注意を払って走行しました。

道満の渡し跡から秋ヶ瀬へ、予期せぬダート迂回ルート

湖から少し離れた位置にある道満の渡し跡へ。彩湖・道満グリーンパーク駐車場内に設置されています。先ほどの中山道蕨宿方面から宗岡・引又(現在の志木市)方面へと東西を結ぶ交通路だったそう。看板にはかつての川の流れがわかる地図が描かれており、蛇行具合が現在の川と大きく違い驚きます。

左奥の石碑はへら鮒供養塔。この辺りは昔からへら鮒の釣り場として親しまれており、供養の意味を込めて建てられたものだそう。

彩湖を離れてすぐにあるさくらそう水門。ここまでいくつも水門を通って来ましたが、ひときわ大きいです。

水門の先を進むと、木々が綺麗に立ち並ぶ一般道へと合流しました。更に進むと、駐車場やグラウンドが広がる賑やかな場所が広がっていて、看板には「秋ヶ瀬」の文字。ここはもしや、サイクルイベントでよく名前を見る、あの秋ヶ瀬か!?とここでもまたサイクリストの聖地に喜ぶ。

先ほどまでの道とは打って変わって、両脇に草木が生い茂る細い道を進むと、その先には迂回の看板が…。

今回ルートを引くに当たって、荒川沿いには河川敷や堤防上に舗装された道が並行して通っていたり、それが合流したり分岐したりと初見にはややわかりづらいところが多く、サイクリングロードのように案内板やブルーラインがあるわけではないので、とりあえず公道は避けてできるだけ川に近い道を選んでいました。ここも、次の目的地の目前まで川に近いルートで行ける予定だったんですが…。

出先の急なルート変更が苦手な上、ダートを進むのは気が引けましたが戻るのも面倒…ということで、しょうがなく迂回方面へとダートを500mほど進むと広く綺麗な堤防上の道へと出られたのでひとまず安心。パンクの恐怖のなかの500mはとても長く感じました。
あとで調べたら、秋ヶ瀬公園を抜けた先でこの広い堤防上に出られたのと、そもそも迂回せずにそのまま進んでいたとしても、私が引いていたルートは最終的にダートになっていたことがわかりました。うーん難しい。

古民家カフェ「BigMouse」のスパイシーなキーマカレー

しばらく快適な堤防上を進むも、目的地目前の分岐で道がわからなくなりました。Googleマップで調べると、この獣道のような草地を突っ切った先だという。本当に…?と訝しんでいたら向かいから数人のサイクリストが走って来たので意を決して進むとあっさりたどり着くことができました。

BigMouse コーヒーと発酵のお店に到着。
この敷地内でも少々迷う。サイクルラックのある入り口から更に駐車場の奥に進むとお店があります。古民家を改装した店舗は、外観も内装も素敵で落ち着ける空間です。

ジンジャーキーマカレーとカフェラテを注文。ピリリとスパイシーなカレーも付け合わせもどれも美味しい。追いスパイスもできて、ちょっと足しただけでもかなりのパンチ力。デザートのケーキにも惹かれましたが、この後は荒川沿いサイクリングといえばのお楽しみが待っているので我慢です。ケーキは次に来た時の楽しみにとっておきましょう。

深さ10cmの水たまり!まさかの水没アクシデント

「本当にこの道で合っているのか?」「ここが目的地へ続く(様々な媒体で見た)例の不安になる道か?」と「こういう道好き、楽しそう!」という気持ちが混ざり合ったまま細い道を進みます。

最後の目的地まであと少しのところで、3つ目の渡船場跡を発見。畔吉の渡場跡。ここは荷物の積み下ろしをする河岸場と対岸への渡船場でもあり、大正末期まで利用されていたそう。

さぁ、あと500m!…というところでアクシデント。

この日最大の水たまりが目の前に出現しました。道いっぱいに広がる水たまりは深さ10cmほどもあり、小径車で進むのも降りて押し歩くのにも抵抗があったため、道の脇の草地を押し進んだところ、泥沼にくるぶしまで水没してしまいました。しっかり靴の中まで浸水…冷静に考えればあれほどの水があるのだから、草地にも流れ込んでいますよね…。

これからまだ駅まで10数キロ走らなきゃならない上、輪行もしなければならないのに。その場ではひとまず、泥を落として水分を拭きましたが、気持ちは一気に下がってしまいました。

その後も、目的地目前で倒木による迂回があったりしつつ、ようやく到着。

ご褒美ジェラートが待つ「榎本牧場」へゴール!

榎本牧場。
荒川沿いサイクリングで外せない、大人気の牧場です。走っていると急に現れた見覚えのある入り口に思わず声が出て、先ほどまでの落ち込みが吹っ飛びました。

敷地内にはサイクルラックがたくさんあり、そのラックは自転車でいっぱい。一般のお客さんの車もひっきりなしにやってきます。牛舎や牛以外の動物もたくさん飼育されていて、小さな子供連れの家族で大にぎわいでした。人気のジェラートは売り場の外まで続く列。もちろん並びました。

ジェラートはソフトクリームに近い滑らかさで、コクがあってとってもおいしい。疲れた体に甘みが染み渡ります。

アクシデントがありつつも、荒川沿いを走ってシメにジェラートを食べる王道サイクリングを完走できました。

初見にはちょっと迷うところはありましたが、知ってしまえば問題なし。川沿いの街にはたくさんの寄り道スポットやお店があり、何度来ても楽しめそうな荒川でした。

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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