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大人数の逃げ切りはフィリプセンが勝利 ポイント賞争いが好勝負に|ツール・ド・フランス2026

ツール・ド・フランス2026の第17ステージが現地7月22日に行われて、逃げ切った26人のスプリント勝負をヤスペル・フィリプセン(アルペシン・プレミアテック、ベルギー)が制した。ようやくつかんだ今大会初勝利。ポイント賞争いでもマッズ・ピーダスン(リドル・トレック)との差を7点とし、残るチャンスに賭ける。

マイヨ・ヴェールのピーダスンが逃げを試みる

今大会唯一の個人タイムトライアルステージを前日に終えて、プロトンはアルプスへと向いて進んでいく。第17ステージは山岳決戦を前にした最後の平坦カテゴリーで、174.7kmで争われる。平坦とは言いつつも、コース全体を通して大小のアップダウンがあり、タフなレイアウト。終盤にかけても緩やかな上りが続き、最終1kmはコーナーが連続する。

© A.S.O./Charly López

今大会たびたび逃げを打っているバティスト・ヴェストロフール(ロット・アンテルマルシェ、フランス)のファーストアタックを機にプロトンは活性化するが、逃げらしい逃げは生まれず。出入りを繰り返す間、ときおり集団が割れる局面もあるが、レースの流れを大きく揺るがすものとはならない。一時的に10人以上のグループが形成されるものの、なかなか集団の容認を得るところまではいかなかった。

© A.S.O./Charly López

40km地点を過ぎたところで、22人が先頭グループを形成。さらに人数が増えていくが、その中にはマイヨ・ジョーヌを着るタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)の姿も。40人ほどのグループでいくつかのカテゴリー山岳を越えると、14選手が抜け出して新たな先頭グループを形成した。

のちに2人が合流して16人で落ち着いたが、メイン集団とのタイム差は1分前後。フィニッシュまで65kmとなったところでピーダスンが集団からアタックし、自力で先頭グループ合流に成功。これをきっかけに集団のペースが収まって、前を行く選手たちでの勝負が本格化した。

フィニッシュまで57kmを残すタイミングで再びピーダスンが仕掛けて、同調した5人と先行を開始。それまで逃げていた選手たちとの差は1分近くまで広がり、さらに約30秒差でフィリプセンらが追走グループを形成。この頃にはポガチャルらを含んだメイン集団はペースを緩めており、逃げ切りを許す構えに。

© A.S.O./Charly López

マチューからフィリプセンのホットラインが機能

快調に飛ばす先頭6人は、147.5km地点に設けられた中間スプリントポイントへ。ピーダスンが狙い通りに1位通過をして、25点を加算。この直後にヤスペル・ストゥイヴェン(スーダル・クイックステップ、ベルギー)が単独アタック。ピーダスンらはフィリプセンらのグループへとまとまり、改めてストゥイヴェンを追う態勢を整える。

© A.S.O./Charly López

ひとり先を急ぎ続けたストゥイヴェンだったが、残り4kmで追走グループに捕まる。最終局面に向けてスピードが上がる中、数人がカウンターでアタックを繰り出すも失敗。残り1kmでのジョシュア・ターリング(ネットカンパニー・イネオス、イギリス)の攻撃も決定打とはならず、26人が一団で最終局面を迎えた。

最終コーナーを先頭で抜けたのは、マチュー・ファンデルプール(アルペシン・プレミアテック、オランダ)。完璧なお膳立てを受けたフィリプセンは加速するや、マウロ・シュミット(チーム ジェイコ・アルウラー、スイス)やオラフ・コーイ(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)を引き離してフィニッシュラインへ。今大会の活躍が期待されてきたが、ついに勝利を挙げた。

マイヨ・ヴェール争いも熱を帯びる

フィリプセンは平坦ステージのほか、毎ステージで中間スプリントポイントでの上位通過を狙ってポイントを加算し続けてきた。この日ピーダスンがステージ8位に終わったこともあり、得点をを縮めることに成功。7点差として、マイヨ・ヴェールが完全に視界に入ってきた。次の3日間は山岳ステージだが、両選手のジャージをかけた争いも注視していきたい。

© A.S.O./Charly López

47位までを逃げた選手が占め、メイン集団はフィリプセンから8分46秒差でのフィニッシュ。UAEチームエミレーツ・XRGがコントロールして、レースをクローズしている。個人総合上位陣は集団内で走り終えており、順位の変動は発生していない。ポガチャルが引き続きマイヨ・ジョーヌを着用する。

© A.S.O./Charly López

翌23日に行われる第18ステージから、いよいよアルプスでの山岳3連戦。まずは1級山岳オルシエール・メルレットの頂上を目指す185.2kmにプロトンは挑む。

ツール・ド・フランス2026 第17ステージ 結果

1 ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・プレミアテック、ベルギー)3:41:13″
2 マウロ・シュミット(チーム ジェイコ・アルウラー、スイス)ST
3 オラフ・コーイ(デカトロン・CMA CGM チーム、オランダ)
4 ルイス・アスキー(NSNサイクリングチーム、イギリス)
5 リック・プルイマース(チューダー プロサイクリングチーム、オランダ)
6 クレマン・リュソ(グルパマ・FDJユナイテッド、フランス)
7 フープ・アルツ(ロット・アンテルマルシェ、オランダ)
8 マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)
9 マイケル・マシューズ(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)
10 アーロン・ゲイト(XDS・アスタナ チーム、ニュージーランド)

個人総合成績

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)60:04:17
2 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)+4’32”
3 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)+6’51”
4 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)+7’11”
5 フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)+9’22”
6 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)+10’14”
7 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+12’50”
8 トーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム、イギリス)+12’58”
9 ジョルダン・ジェガット(トタルエネルジー、フランス)+14’04”
10 ヤニス・ヴォワザール(チューダー プロサイクリングチーム、スイス)+24’18”

ポイント賞

マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)

山岳賞

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)

ヤングライダー賞

イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)

チーム総合成績

リドル・トレック

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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