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仲村陽子が日本女子初のアルカンシエル! 日本勢は5カテゴリーでメダル獲得|UCIグランフォンド世界選手権

北海道・ニセコ地域で行われてきた「UCIグランフォンドワールドチャンピオンシップス」は、8月30日に最終競技のロードレースが行われた。80kmで争われたメディオ・フォンドでは、女子50-54歳で仲村陽子選手が優勝し金メダルと虹色のチャンピオンジャージ“アルカンシエル”を獲得。日本女子として初の快挙となった。このほか、日本勢はメディオ・フォンドと140kmのグラン・フォンドとを合わせて5つのカテゴリーでメダルを獲得した。

アルカンシエル獲得も「挑戦を続けていきたい」と仲村選手」

26日から関連行事が始まり、翌27日から競技が展開されてきたアジア初開催のグランフォンド世界大会。熱戦の最後は、ニセコの雄大な自然の中を走り抜けるロードレース。世界各地のグランフォンドイベントで上位入りし出場資格を得た選手たちが、スタートラインに集結した。

雲のかかる羊蹄山をバックに走る選手たち © Syunsuke FUKUMITSU

メディオ・フォンドはレース距離が80kmに設定され(実走距離は76.2km)、序盤からニセコパノラマラインを越える山岳ルート。獲得標高は1572mに設定され、パノラマラインの頂上通過後にはテクニカルなダウンヒルと平坦区間のミックス、そして最後は“ゴンドラ坂”を上ってのフィニッシュ。実施カテゴリーは、女子が50歳以上で5歳刻み、男子が60歳以上で5歳刻みに分けられ、それぞれで順位をつける。

女子50-54歳で勝った仲村選手は序盤から好位置でレースを展開し、重要区間のニセコパノラマラインでのペースアップにも対応。独走に持ち込むと、最後までペースを落とすことなくフィニッシュまで走り抜いた。

優勝を決め笑顔でフィニッシュにやってきた仲村陽子選手 © Syunsuke FUKUMITSU

逃げている間は「追いつかれても対応できるよう準備はしていた」といい、レースを通じ冷静に走れたと自己分析。昨年の銀メダルを上回る会心の結果には、「全然実感が湧かない。日本の女子選手として初めてこの大会を勝ったことが本当にうれしい」と笑顔。国内シーンにも積極的に参戦しているが、アルカンシエルを着て走るこれからに向けては、「若い世代に食らいついていきながら、さらなる挑戦を続けていきたい」と言葉に力がこもる。晴れのポディウムで中央に立つと、会場は大きな盛り上がり。高らかにこぶしを突き上げて喜んでみせた。

女子50-54歳カテゴリーの表彰。日本女子初のグランフォンドのアルカンシエル獲得となった © Syunsuke FUKUMITSU

このほか、女子55-59歳では大石由美子選手が銀メダル。ニセコパノラマラインでペースを上げて主導権を握る場面もあり、トップ争いを活性化させた。

レースを終えて、「ゆっくりとしたペースのまま終わるのもどうかと思い、パノラマラインで踏んでいった」と振り返った大石選手。「2位という結果は上出来」とも述べて、表彰台で笑顔を見せた。

女子55-59歳では大石由美子選手が銀メダルを獲得 © Syunsuke FUKUMITSU

グラン・フォンド140kmでは森廣・金子両選手が銀、岡選手が銅

140kmで行われたグラン・フォンドは倶知安町を出発し、清流日本一を誇る蘭越町の尻別川を経由。その後ニセコパノラマラインでの登坂をこなして、共和町へのテクニカルなダウンヒル。倶知安町へと戻って、フィニッシュめがけての“ゴンドラ坂”クライミングでクライマックスを迎える。カテゴリーは、女子が19-34歳のほか35歳から49歳までの5歳刻みによる4カテゴリー、男子が19-34歳のほか35-59歳までの5歳刻みによる6カテゴリーが設定される。

200人を超える選手が出走した男子19-34歳カテゴリーのメイン集団 © Syunsuke FUKUMITSU

ロードレース種目の先陣を切ってスタートした男子19-34歳では、序盤から散発的にアタックがかかるもののリードを得るまでには至らず、やがてポーランド勢が200人近い集団をコントロールする流れに。1人が飛び出してニセコパノラマラインへと入るが、そこからのアップダウンでプロトンはシャッフルし、終盤にかけては岡泰誠選手を含む3選手が先頭グループを形成。約1分差で大前翔選手が加わる3選手による追走グループが形成された。

男子19-34歳のフィニッシュ © Syunsuke FUKUMITSU

先頭3人がそのまま逃げ切る形になり、ゴンドラ坂での勝負によって岡選手が3位でフィニッシュ。その後の表彰式で銅メダルを受け取った。

男子19-34歳の表彰。岡泰誠選手が銅メダルを獲得 © Syunsuke FUKUMITSU

女子でも日本人ライダーが好走。45-49歳では、金子広美選手が2選手による逃げ切りに持ち込み、僅差で先着を許したものの銀メダルを獲得。40-44歳でも森廣真奈選手が単独2番手でレースを進め、そのままのポジションでフィニッシュへ。こちらも銀メダルを手にしている。

女子45-49歳は僅差の勝負に。金子広美選手が2位となった © Syunsuke FUKUMITSU

パノラマラインでみずから仕掛けた金子選手は、「最後は2人の勝負になってイチかバチかで仕掛けた。勝った選手は強さも経験も私より上だった」とコメント。同じく2位で終えた森廣選手は2日前のチームリレーで失格に終わった悔しさを晴らす好走。「表彰台を目指してここまでやってきたので、2位という結果は嬉しい」と銀メダルを掲げた。

女子40-44歳では森廣真奈選手が銀メダルを獲得 © Syunsuke FUKUMITSU

笑顔とともに大会は終幕

この日はグラン・フォンド、メディオ・フォンド合わせて22カテゴリーで世界チャンピオンが誕生。表彰式の最後には22人の王者たちが集まって喜びのパフォーマンス。これから1年間、アルカンシエルを着てレース活動を行うことになる。

世界チャンピオンみんなでハンズアップ! 大会アンバサダーのイヴァン・バッソ氏も加わった © Syunsuke FUKUMITSU

世界67の国と地域から約2500人ものライダーが集まった今大会。劇的なレース展開はもとより、ニセコのコースを走り切ったうれしさを体いっぱいに表現した選手や、国の垣根を超えて交流を図るライダーたちの姿が各所で広がっていた。勝ち負けだけでなく、走ることの喜びや友情をはぐくむグランフォンドの真の姿がニセコで見られた大会だった。

男子40-44歳を制したジョニー・フーガーランド選手(左)。かつてUCIワールドツアーでともに戦ったイヴァン・バッソ氏(中)のサプライズ祝福と思わぬ再会に大興奮 © Syunsuke FUKUMITSU

UCIグランフォンドワールドチャンピオンシップス ロードレース結果

グラン・フォンド 140km

男子19-34歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Artur SOWINSKI(ポーランド)3:26’36”
2 Giovanni LOISCIO(イタリア)+0″
3 Yasumasa OKA(日本)+ 0’07”

女子19-34歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Si LI(中国)4:08’41”
2 Elis SIMEONI(イタリア)+0’04”
3 Sofia BALAEVA +0’11”

男子35-39歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Bjorn DE DECKER(ベルギー)3:37’43”
2 Wojciech SZCZEPANIK(ポーランド)+0’01”
3 Patrik MIKAC(スロベニア)+0’05”

女子35-39歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Kamila WOJCIKIEWICZ-PLOTKOWIAK(ポーランド)4:08’37”
2 Daria PRAVILOVA +0’01”
3 Laura ŠIMENC KRAMAR(スロベニア)+0’02”

男子40-44歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Johnny HOOGERLAND(オランダ)3:42’34”
2 Benjamin PENAUD(フランス)+0’01”
3 Sebastian DRUSZKIEWICZ(ポーランド)+0’02”

女子40-44歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Alina MYLKA(ポーランド)4:20’05”
2 Mana MORIHIRO(日本)+4’33”
3 Mimi ter Beek(オランダ)+7’13”

男子45-49歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Oeystein Seth FISKAA(ノルウェー)3:41’11”
2 Rick GROENEWEG(オランダ)+5’08”
3 Andrew KNIGHT(アメリカ)+5’21”

女子45-49歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Nicolien LUIJSTERBURG(オランダ)4:15’58”
2 Hiromi KANEKO(日本)+0″
3 Simone STEFFEN(スイス)+4’08”

男子50-54歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Tom LEAPER(オーストラリア)3:46’42”
2 Raul PORTILLO(スペイン)+0’03”
3 Alessandro ENCIN(イタリア)+0’08”

男子55-59歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Michael SCHAEFER(ドイツ)3:50’09”
2 Bruce BIRD(カナダ)+0’04”
3 Pasi VUORI(フィンランド)+0’22”

メディオ・フォンド 80km

女子50-54歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Yoko NAKAMURA(日本)2:25’30”
2 Anita KLAIBER(スイス)+2’24”
3 Jorja FRENCH(カナダ)+2’27”

女子55-59歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Penny PAWSON(ニュージーランド)2:24’27”
2 Yumiko OISHI(日本)+0’05”
3 Nathalie CHAMPAGNE(カナダ)+0’15”

男子60-64歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Wayne SANCHEZ(オーストラリア)2:17’17”
2 Jørn FJELDAVLIE(ノルウェー)+0’01”
3 Sean HARDY(オーストラリア)+0’09”

女子60-64歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Diane OTLEY-DOE(オーストラリア)2:35’16”
2 Sybille WEIDNER(スイス)+0’04”
3 Susan HAID(アメリカ)+0’08”

男子65-69歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Douglas POMERANZ(アメリカ) 2:18’35”
2 Alan NELSON(オーストラリア)+1’39”
3 Frank NIJSSEN(オランダ)+1’55”

女子65-69歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Andrea NIGHTINGALE(イギリス)2:46’17”
2 Betsy HARD(アメリカ)+6’20”
3 Jane CUTLER(オーストラリア)+9’18”

男子70-74歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Ewald WOLF(スイス)2:25’48”
2 Roger CULL(オーストラリア)+1’25”
3 Alan FAVELL(カナダ)+4’21”

女子70-74歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Patricia CALDEIRA(アメリカ)2:43’46”
2 Glenda SIGNORINI(オーストラリア)+21’54”
3 Julia EMBLIN(オーストラリア)+27’14”

男子75-79歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Paul MCRAE(カナダ)2:30’04”
2 Tinsley JANES(ニュージーランド)+1’51”
3 Robin SCHUMANN(ドイツ)+9’35”

女子75-79歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Sharon PRUTTON(ニュージーランド)3:18’22”
2 Mary CULLEN(ニュージーランド)+18’45”
3 Margaret DOCKING(イギリス)+19’00”

男子80-84歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Kevin DONOVAN(オーストラリア)3:08’00”

男子85-89歳

© Syunsuke FUKUMITSU

1 Marcel ÉVE(フランス)3:19’46”

※選手名のアルファベット表記は正式リザルトに基づく
全リザルトは大会公式ウェブサイトを参照。
https://nisekoclassic.com/news/2026-uci-results-en

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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