
福島・いわき七浜海道53kmで完走リベンジ|夏福ゆるポタエッセイ vol.30
Bicycle Club編集部
- 2026年09月26日
INDEX
連載「まんが家・夏福のゆるポタコミックエッセイ」。今回は福島県いわき市の海岸線を南北につなぐサイクリングルート「いわき七浜海道」53kmに挑戦。勿来の関公園をスタートし、震災の記憶を伝えるモニュメント「きみと」や道の駅ら・ら・ミュウの揚げ物グルメ、いわきマリンタワー、塩屋埼灯台をめぐります。道の駅よつくら港で「常磐ものづくし御膳」を味わい、かつて心が折れた残り5kmへ。リベンジをかけた海沿いの一日です。
「いわき七浜海道」へリベンジ、スタートは「勿来の関公園」
福島県いわき市の海岸沿い53kmにわたるサイクリングルート「いわき七浜海道」。東日本大震災からの復旧・復興事業により整備された防潮堤や既存の道路を活用し、起伏が少なく休憩・立ち寄りスポットも多い、初心者でも安心して楽しめるサイクリングコースとなっています。
2021年にサイクリングルートが完成してから何度か走ったことがあり、一度は制覇を目指して来たものの、その日が風の強い1月で、寒さと強風により体力体温が奪われ、ゴールまであと5kmのところで心が折れて引き返してしまいました。それ以外では、目的地までの通過点として一部のルートを通った程度なので、まだ完走したことがありません。
今回はそのいわき七浜海道完走リベンジにやってきました。

起点・終点となる場所は、南は勿来(なこそ)の関公園で、北は久之浜防災緑地になります。今回は勿来の関公園からスタート。案内板のある駐車場にはサイクルラックやトイレがありますよ。
先ほど起伏が少ないと書きましたが、この勿来の関公園はちょっとした山の上にあるので、最寄りの常磐線勿来駅からのスタートだと初っ端から上り、逆にゴールとすると、最後の最後に上りが待ち受けるという仕様。どうしてこんなところに…と思いますが、ここには名前の通り、いわき市の観光名所、勿来の関跡があるんですね。奥州三関のひとつです。

関所の正確な場所はわかってはおらず、「勿来の関」を詠んだ歌などから読み取った位置がこの辺りであろうということだそうで、再現された関所の門と、関所を通過したとされる源義家の銅像が立っています。その他にも見所があるので、スタート前に散策するのも楽しいですよ。
矢羽とブルーラインに導かれて海沿いの道へ

さてスタートです。道中には矢羽やブルーライン、案内板があるので安心です。今回は軽く予習はして来ましたが、前回走っていない5km部分も含め、サイコンにルートを入れずに走ったんですが、迷うことはありませんでした。
一気に下山し国道6号へと出て、数百メートル先のサイクリングロード入口から海沿いの道へと出ます。

なんだか今年の夏から秋にかけては雨が多くて、この日も久しぶりに晴れる予報が出ていたのでこの機会を逃すまいと、早朝雨に降られながらもやって来ました。晴れますようにと祈りながら進みます。
震災の記憶を伝えるモニュメント「きみと」

岩間防災緑地に設置されている、東日本大震災の記憶を伝える卵型のモニュメント「きみと」。説明板には「自然界では起こりえない位置で立っていて孵化を待つ生命の力強さと震災から立ち上がる人々への希望を表しています」と書かれていました。このモニュメントの下には、勿来地区の津波被災者の音声や映像が記録されたタイムカプセルが地中に埋められています。
モニュメントまでは、ほぼ海沿いのサイクリングロードを走って来ましたが、この先は一般道へと出ます。

車線や交通量の多い道も走りますが、路肩がとても広く走りやすい。
道の駅ら・ら・ミュウで揚げ物三昧の補給

スタートから約20km走ってアクアマリンパークへとやって来ました。曇り空で残念。晴れているととっても綺麗なんですよ。

お隣の道の駅ら・ら・ミュウで小腹を満たします。名前の「ら・ら・ミュウ」とはなんぞや?と調べたところ、「ら・ら」はいわきのキラキラと輝く海をイメージした〝いわきらら〟と、「ミュウ」はいわき市の鳥であるカモメの愛称(市制30周年記念で公募で決定)を合わせたものだそう。
漁港の目の前に立つ道の駅には、鮮魚や干物を販売する市場や海鮮グルメが豊富です。食べ歩きができるテイクアウトグルメも多いので、長時間自転車を離れて食事をするのを避けたいサイクリストには嬉しいですね。
福島のソウルフード、凍み餅をドーナツ生地に包んで揚げた「凍天」と「かりんとう饅頭の天ぷら」「揚げかまぼこ」を購入。全部揚げ物というカロリーの暴力。
福島は会津地方などで、昔から饅頭を天ぷらにして食べる文化が根付いているのは知っていましたが、揚げて作られているかりんとう饅頭にさらに衣をつけて揚げるという力技に怯みはしたものの、買わずにはいられませんでした。この後走ればいいんですよ大丈夫です。味は文句なしにおいしいです。カロリーは美味い。ちなみに「かりんとう饅頭」の発祥も福島県なんだとか。
福島のローカルドリンク酪王カフェオレをお供にいただきました。カロリーにカロリーを重ねるスタイル。
シーフードケーキという商品も気になったので購入。要はかまぼこなんですが、真空パックで持ち運べ、スティック状で食べやすく、たんぱく質も摂れてサイクリスト向きでは…?
いわきマリンタワーと潮見台へ寄り道

道の駅すぐそば、高台に立ついわきマリンタワーへ。展望台は海抜106mの高さ、屋上のスカイデッキからは360度の大パノラマでいわきを見渡すことができるんだそうですよ。

ちょっと寄り道してマリンタワー周辺を散策。この潮見台は断崖絶壁からせり出した形で作られていて、いわきの海を一望できます。

鎖国後に外国船の姿を捉えるために設置され、その後灯台の前身にあたる燈竿となり、老朽化が進んだため現在の六角形の特徴的な形に建て替えられたんだそう。
のどかな漁港町と、まさかの臨時休業

高台から下ると先ほどまでの曇天から一転、綺麗な青空に。この先しばらくは漁港沿いの町などを抜けていくのですが、とてものどかで好きなルートです。
そろそろお昼を予定していたお店へ。サイクリングルートすぐそばです。

まさかの臨時休業。
こちらでは、いわき市の郷土料理「さんまのポーポー焼き」がいただけます。ポーポーとは、新鮮なさんまのミンチに味噌、ネギ、生姜などを混ぜてハンバーグ状にしたもので、漁師が船の上で料理する際に、さんまの脂が炭に落ちて「ポーポー」と燃え上がることからこの名前がついたそう。
ポーポー焼きは何度か食べたことがあり、きゅういちさんもいただいたことがあるのですが、こちらのポーポー焼きは魚の臭みが全くなくふっくら香ばしい。特にお気に入りでオススメです。いわきサイクリングのランチにぜひ…。
塩屋埼灯台を越えて、海キワキワの道を北上

塩屋埼灯台が見えてきました。全国でも珍しい、登ることのできる灯台16基のうちのひとつです。サイクルラックがありますが、灯台までは少々階段を登っていくことになるので、ビンディングシューズは注意が必要です。
塩屋埼灯台の坂道を越えると、その先はゴールまでほぼ平坦な道のみ。しかし晴れたことと関係があるのか、地形のためか(多分こっちかなと思う)、先ほどまで無風だったのが、この辺りから向かい風が吹いてきました。

途中一般道へと出ることもありますが、この先は数キロに渡って海キワキワのサイクリングロードを一気に北上。最高です。
道の駅よつくら港で「常磐ものづくし御膳」

道の駅ら・ら・ミュウから約25km、ふたつ目の道の駅に到着。サイクリングルート上に直接入れる道の駅があるのは嬉しいですね。以前はこの道の駅まで来て折り返してしまいました。すぐ後ろは四倉海水浴場です。
お土産のポーポー焼きを購入。自宅で気軽においしいポーポー焼きが食べられます。自転車で来てもクール便で送ることができるので便利ですね。
そしてかりんとう饅頭の天ぷらに続いて、こちらでは揚げおはぎが販売されてました。なんでも揚げちゃう福島。

道の駅の目の前にあるお食事処・酒処「和」さんでランチにします。旅先では、できるだけ地物の食材や料理を食べたいと思っているので、常磐もののお魚がいただけるこちらに決めました。その名も「常磐ものづくし御膳」。すごい豪華。特大のお盆と丼サイズのお椀に、いわきの名産ほっき貝のご飯、お刺身に唐揚げ、煮魚、アンコウのどぶ汁までついています。殿様かと。大満足です。
未踏の残り5kmと、弁天島の絶景

いよいよここから先は走ったことのない残り5kmへ。道の駅から約2km、海の上に立つ赤い橋と鳥居が映える弁天島が見えました。この日は波が打ち寄せるたびに、赤い橋に飛沫がかかるくらいの波がたっていたんですが、かつては島は陸続きだったそうですよ。渡ってみたくはありましたが、ついつい自転車を置いていくめんどくささが勝って、眺めるだけにしておきました。

道の駅の先も、海沿いの快適なサイクリングロードが続きます。

サイクリングロードの終わりにあるフォトストップ&休憩スポット。バス停のようでかわいい。「ヒサ之浜」の他に「ヨツクラ」「うすいそ」もあったようで、見逃してしまいました。
ついに53km完走! ゆるポタ・初心者にもおすすめのルート
海沿いのサイクリングロードを出たら、ゴールまでは目と鼻の先なんですが、ここだけちょっと分かりづらい。フォトストップからすぐそばの橋ではなく、1本となりの橋を渡り、さらに先の大久川にかかる橋のたもとに案内板がありました。目立たないので見落としそう。この案内板の奥へ進むと、勿来の関公園と同じサイクルラックや東屋がありますよ。
これでいわき七浜海道制覇です!
道の駅よつくら港からは、走ってみればあっという間の距離でしたが、前回はもう走りたくなくなるほどの消耗で、あと5kmでも辛かった思い出。といってもそんな日ばかりではありませんので! 平坦な道が多く、立ち寄りスポットやトイレ、休憩所がたくさんあって、ゆるポタや初心者の方にはオススメです。

SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。



















