BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • VINAVIS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo
  • タビノリ

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

秋開催の第41回シマノ鈴鹿 VC福岡の本田晴飛がクラシック制覇、奥山太郎が3ステージ逆転V

秋風が心地よく吹き抜ける9月26日(土)・27日(日)の2日間、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキット国際レーシングコースにて、日本最大級の自転車の祭典「第41回シマノ鈴鹿ロード」が開催された。伝統の真夏から9月下旬への開催時期シフト、U17・U19の新設、そしてリニューアルされた「3ステージ・スズカ」など新機軸が打ち出された今大会。冷たい雨が時折路面を濡らすタフなコンディションの中、延べ7,200名を超えるサイクリストが集結した。メインレース「シマノ鈴鹿ロードレース クラシック男子エリート」は本田晴飛(VC福岡)が大集団スプリントを制して劇的な大金星を挙げた。2日間の激闘と熱狂を詳細にレポートする。

8月の灼熱から9月の涼風へ 新時代を迎えた第41回大会

1984年の第1回大会(グリーンピア三木での前身大会)以来、日本のロードレース文化を牽引し続けてきたシマノ鈴鹿ロード。40回の節目を経て迎えた2026年の第41回大会は、大きな転換点を迎えた。これまで猛暑と闘いながら走る「真夏の祭典」として親しまれてきたが、過酷な熱中症リスクの低減と、参加者・家族がより安全で快適に楽しめる環境を目指し、開催時期を9月下旬へと移行した。

初日早朝の開会式で、主催者を代表して株式会社シマノの島野泰三代表取締役社長は「次なる世代の皆様に向けた種目や、ロードバイクを始められて間もない方々にも楽しんでいただける種目をご用意しました。走る楽しみを満喫し、会場全体を楽しんでいただきたい」と挨拶。鈴鹿サーキットを運営するホンダモビリティランド株式会社の小田栄次郎総支配人も「少し涼しい9月への開催変更により、選手も応援の皆様もより快適な環境で楽しんでいただける。次世代への取り組みが加速することを期待しています」と祝辞を述べた。

両日ともに時折小雨がパラつく空模様となったものの、気温は20℃〜23℃前後と極めて過ごしやすいコンディション。熱中症によるリタイアは激減し、選手たちはシーズン終盤の引き締まった脚で、スピード感あふれるレースを展開した。

【クラシック男子】大集団スプリントの混沌を切り裂いたVC福岡 本田晴飛が大金星の勝利

大会2日目の正午前にスタートが切られたメインイベント「シマノ鈴鹿ロードレース クラシック男子エリート」(フルコース10周=58km)。JCF登録のエリートレーサー161名がグリッドに並び、スタートライン最前列には国内のUCIコンチネンタルチーム(シマノレーシング、チームUKYO、Astemo宇都宮ブリッツェン、VC福岡、愛三工業レーシングチーム、スパークルおおいたレーシングチーム)が顔を揃えた。

近年2大会連続で逃げ切りが決まっている本種目は、レース序盤から各チームがアグレッシブにアタックを打ち合う。1周目、スパークルおおいたの阿曽圭佑がファーストアタックを仕掛けると、ホストチームとして3連覇を狙うシマノレーシングが天野壮悠、山田拓海、風間翔眞を前方に送り込んで徹底マーク。さらにVC福岡の横塚浩平が単独で抜け出し、そこに先日の南魚沼ロードレースE1で優勝したベテラン井上和郎(バルバサイクルレーシングチーム)がジャンプアップして合流を試みるなど、1周アベレージ45km/hを超えるハイスピードの中で目まぐるしく先頭が入れ替わる。

サバイバルな展開によって161名の集団は周回を重ねるごとに削られ、後半には約70名にまで絞り込まれた。7周目にはシマノの香山飛龍が単独で先行し、カウンターで寺田吉騎(チームUKYO)、増田成幸、岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン)、加藤辰之介、岡本隼(愛三工業レーシングチーム)、楠本颯太(スパークルおおいたレーシングチーム)、辻野壱哉(VC福岡)ら有力勢を含む13名の強力な逃げグループが形成される。

しかし、決定的なタイムギャップを許さないメイン集団は最終周回(10周目)を前に1つへとまとまる。ラスト1周のジャンが鳴り響くと、ホームストレートの登りでシマノレーシングが怒涛のトレインを形成。天野、香山、風間、山田らが渾身の牽引を見せ、スプリンターの日野泰静と今月から佐藤后嶺と入れ替わる形でチームに再び合流した石原悠希を完璧なポジションへと引き上げる。これに対し、Astemo宇都宮ブリッツェン(岡、谷順成、フォン・チュンカイ)、チームUKYO(山本哲央、寺田)、スパークルおおいた(黒枝咲哉)も割って入り、最終シケインから最終コーナーにかけてポジション争いは沸点に達した。

最終コーナーを立ち上がり、ホームストレートへ。シマノトレインの右脇から一瞬の隙を突き、電光石火の加速を見せたのはVC福岡だった。アシストの完璧なリードアウトから解き放たれた、本田晴飛(VC福岡)が爆発的なスプリントを開始。内側から伸びる中川由人(MOAT RACING LAB)や黒枝咲哉(スパークルおおいたレーシングチーム)、日野泰静(シマノレーシング)の追撃を力強く退け、先頭でチェッカーを駆け抜けた。

見事な金星を挙げた本田は、表彰台の頂点で破顔した。
「僕自身、レースでスプリントを狙う機会は今年数えるほどしかなく、不安しかありませんでした。でもチームメイトが最終コーナーまで本当に完璧な位置で運んでくれた。あとはただ、思い切りもがくだけでした。フィニッシュラインを越えた瞬間は景色がいつもと全然違って戸惑いましたが、後から実感が湧いてきて本当に嬉しいです。前日のチームTTの悔しさを晴らす有言実行ができました。この後続く地元・九州でのツール・ド・九州などに向けて最高のはずみになりました」

2位にはJエリートツアーE1で最強スプリンターとして君臨している”クリキン”(クリテリウムキング)こと中川由人(MOAT RACING LAB)が食い込み、3位にはツール・ド・福州での落車から約1年、ロードレース復帰戦となった黒枝咲哉(スパークルおおいたレーシングチーム)が入った。

【クラシック女子】アジア大会日本代表の渡部春雅が独走劇 2日間で4冠の超人的パフォーマンス

クラシック男子に先駆けて行われた「シマノ鈴鹿ロードレース クラシック女子」(フルコース5周=29km)は、出走26名による濃密な戦いとなった。

スプリンターを多く抱えるクラブワンピースレーシングチームトヤマが4名を揃え、昨年3位の森本保乃花や川野里奈、堀愛琳郁(soleil de l’est)らが集団内で息を潜める中、レースを根底から動かしたのは、アジア競技大会のロードレース日本代表として愛知県新城でのレースを終えたばかりの渡部春雅だった。

牽制ムードを嫌い、立岩真衣(soleil de l’est)の単独逃げが吸収された後の最終周回手前、ホームストレートの登り坂で渡部が強烈なカウンターアタックを炸裂させる。この一撃で24名いたメイン集団は一瞬で粉砕され、後続はバラバラにちぎれ飛んだ。

渡部のペースアップに食らいついたのは、島橋由美子、山崎友里(ともにクラブワンピースレーシングチームトヤマ)、濱田祐子の3名のみ。数的優位を得たバルバ勢は24年大会覇者の島橋を勝たせるべく発射台体制を整えようとしたが、渡部の脚力はそれを許さなかった。最終周回の下りなどでも渡部が自らハイペースを維持し、残り200mのスプリントでも全く寄せ付けない爆発力で独走。最後は満面の笑顔で両手を突き上げ、圧勝のフィニッシュを果たした。

渡部はこの勝利のみならず、初日の「女子5周の部(全ポイント獲得完全優勝)」「2時間エンデュランス女子ソロ」、2日目の「90分エンデュランス女子ソロ」と合わせ、エントリーした4種目すべてで優勝という前代未聞の“4冠”を達成。圧倒的なスピードと回復力を、鈴鹿のファンに強烈に見せつけた。

1日目、3周の部女子で2位となったシクロクロス女子U15日本チャンピオンの数元陽華(Tri-X JAPAN)

【3ステージ・スズカ】最終個人TTで奥山太郎が7分01秒の驚異的タイム エキップ定光寺が完全制覇

かつての「5ステージ・スズカ」から、凝縮された「3ステージ・スズカ」へとリニューアルされた総合ステージレース。第1ステージ(ロードレース3周)、第2ステージ(ロードレース5周)、第3ステージ(個人タイムトライアル1周)の計3戦で争われ、1つのミスも許されない緊迫したレース展開となった。

早朝の第1ステージは、2023年の覇者である川崎嘉久(ネレバーニ)が貫禄の集団スプリント勝利を飾り、10秒のボーナスタイムを獲得。中間スプリント賞は髙村明希斗(エキップ定光寺)が2回ともトップ通過して10ポイントを独占した。

昼過ぎの第2ステージは、チーム西村の小林史弥が混戦のスプリントを制してステージ優勝。2位にはエキップ定光寺の宮田直紀、3位に西村聡太(チーム西村)が入り、第1ステージでも2位に入っておりボーナスタイムを稼いだ宮田が総合首位へ浮上。2位川崎、3位小林とわずか5秒差の緊迫した状況で、勝負は夕方の第3ステージ・個人タイムトライアル(フルコース1周=5.8km)へと委ねられた。

上位11チームが団体総合同タイムで並ぶという大混戦の中、雨が落ちるウェット路面で行われた最終TT。リーダージャージの宮田が7分13秒14の好タイムを記録し、川崎らの逆転を阻んだかに見えた。

しかし、その宮田のタイムを遥かに凌駕する走破を見せたのが、チームメイトの奥山太郎(エキップ定光寺)だった。総合5位(首位と9秒差)につけていた奥山は、滑りやすい路面を完璧なライン取りでクリアすると、前日のプロチームTTの1周タイムに肉薄する「7分01秒48」という驚愕のスーパーラップを叩き出す。

この瞬間、奥山が首位宮田との9秒差をひっくり返し、トータルタイム1時間08分02秒で見事な逆転総合優勝を達成。2位には3秒差で宮田直紀が入り、エキップ定光寺がワンツーフィニッシュを飾った。さらに団体総合時間賞、髙村明希斗の中間スプリント賞と合わせ、エキップ定光寺が主要タイトルを総なめにする歴史的な完全勝利を収めた。なお、ジュニア総合賞(新人賞)には森眞翔(BREZZA-KAMIHAGI)が輝いた。

【U17&U19】未来を担う原石たちの激突 伊藤隆聖と佐野凌麻が制し、佐野3兄弟が躍動

今大会の最大のトピックの1つが、将来の日本自転車界を担うユース・ジュニア世代のためのカテゴリー「U17」および「U19」の新設である。若い世代に鈴鹿サーキットのフルコースという最高の舞台を経験させるべく創設され、マトリックスが主催する関西の登竜門「堺浜クリテリウム」のジュニア強化レースで積極的な走りを見せて「敢闘賞」を受賞した選手たちが特別招待選手として迎えられた。

左から倉谷希輝(名古屋たちばな高)、伊藤隆聖(岐阜第一高)、佐野将麻(TEAM SPORTSKID ZYYX)

U17(ロードレース3周=17.4km)には、今年の全日本選手権U17ロード王者・倉谷希輝(名古屋たちばな高)、同4位の佐野将麻(TEAM SPORTSKID ZYYX)、そして高校1年生にしてインターハイのポイントレースを制した伊藤隆聖(岐阜第一高)の招待3選手が先頭に並んだ。レースはスタート直後からアタックが連発する超ハイスピード展開となったが、最終ストレートで横4列の激しいスプリントを力強く突き抜けたのは伊藤隆聖。トラックレースやシクロクロスでもタイトルを持つ類まれなインターバル能力を発揮し、新設カテゴリーの初代王者に名を刻んだ。伊藤はその勢いのまま、午後の90分エンデュランス(男子ソロ)にも出走し、大人たちの大集団を相手にスプリント勝利して総合優勝。高校1年生の規格外のポテンシャルを存分に見せつけた。

左から竹田佳史(花園高校自転車競技部)、太田天(北桑田高校)、佐野凌麻(岐阜第一高等学校)

一方のU19(ロードレース5周=29.0km)では、全日本ジュニアロード王者の佐野凌麻(岐阜第一高)、太田天(北桑田高)、那須奏太(チームケルミスクロス)の3名が中盤から抜け出し、追走集団に20秒の差をつけて最終周回へ。息の合ったローテーションから最後は3名のマッチスプリントとなり、ナショナルチャンピオンジャージを着る佐野凌麻が冷静に相手の動きを見極めて先着。見事な完勝劇を演じた。

さらに驚くべきは「佐野ファミリー」の躍進だ。長男の凌麻(U19優勝)、次男の将麻(U17 7位、90分エンデュランス男子ソロ3位)に続き、小学校5・6年女子の部では末っ子の佐野真麻(TEAM SPORTSKID ZYYX)が出走。男子顔負けの研ぎ澄まされたエアロフォームで序盤から集団を千切り捨て、2位に大差をつける独走勝利。スーパーブラザーズ&シスターの圧倒的な実力に、実況席の湊諒氏も「体幹の強さとペダリングの美しさが際立っている。兄弟で切磋琢磨してきた努力の賜物」と感嘆の声を漏らした。

【チームタイムトライアル】全周回6分台!王者シマノレーシングが圧巻のレコードタイムで連覇

初日午後のハイライトとなった「チームタイムトライアル JCF登録」(4周=23.2km)。各チーム30秒間隔で出走し、3人目のフィニッシュタイムで争われる過酷な連帯責任レースである。

ウェット路面という悪条件下でありながら、国内トップチームが異次元のスピードを披露した。まずターゲットタイムを打ち立てたのはAstemo宇都宮ブリッツェン(宮崎泰史、谷順成、フォン・チュンカイ、岡篤志)。1人パンクのアクシデントに見舞われながらも、安定した走りで28分15秒47をマーク。続いて出走したVC福岡(住田悠人、山本大喜、横塚浩平、本田晴飛)が抜群のコーナリングワークでタイムを削り、28分03秒83でトップに立つ。直後に出走したチームUKYO(寺田吉騎、石橋学、曽根田仁、山本哲央)も終盤に6分55秒台までラップを上げ、VC福岡とわずか0.54秒差の28分04秒37で2位につけた。

しかし、最後にコースインしたホストチーム・シマノレーシング(風間翔眞、香山飛龍、山田拓海、林原聖真)が、それらを完全に過去のものとする走りを披露した。雨の鈴鹿をものともせず、1周目から「6分56秒61」をマークすると、2周目「6分47秒43」、3周目「6分46秒84」と周回ごとにタイムを短縮。4名の隊列を美しく保ったまま、最終周回には先行した1名を切り離して3名で極限まで踏み込み「6分43秒台」を叩き出した。

トータルタイムは27分14秒41。全チーム中唯一全ラップ6分台を揃え、平均時速51km/hオーバーという驚異的なタイムで連覇を達成。2位VC福岡に49秒差をつける完膚なきまでの勝利に、ピットウォールは歓喜に包まれた。

また、JCF未登録のチームTT(2周=11.6km)では、地元三重県から参戦した「みえぎょら」が7分23秒+7分36秒のトータル15分00秒46を記録。登録チームに匹敵するスピードを見せ、会場を大いにどよめかせた。

愛三工業の社員チームがタイムトライアルに参加。元日本チャンピオンの西谷泰治さんも
チームタイムトライアル JCF未登録チームで2位となったBREZZA-KAMIHAGIの左から梅林 康典さん、上萩 泰司さん、福田 宏さん

【エンデュランス&サイクルマラソン】サイクルマラソンとエンデュラン同時開催、井上和郎の冷静沈着なアタック

ホビーレーサーたちの最大の目標であるエンデュランス&マラソン種目でも、数々のドラマが生まれた。

初日の「2時間エンデュランス」では、男子ソロにおいて終盤に輕部弘崇(Team ELMO)と伊多修平の2名が抜け出すも、集団が猛追して残り5分で吸収。大集団スプリントの気配が漂う中、残り1周の手前で絶妙なタイミングの単独カウンターアタックを決めたのが井上和郎(バルバサイクルレーシングチーム)だった。タイムリミットギリギリで最終周回へと滑り込んだ井上は、追走する集団の追撃を物ともせず、ベテランの巧みなペース配分で逃げ切り勝ちを収めた。

パナソニックの社員チームとパナソニックファンチームが20人ほどで参加、エンデューロには5チームが参加した

【ハンドサイクル】初開催フルコースのハンドサイクル

2日目の「ハンドサイクル・エキシビション」は、今年で10回目の節目を迎えたことを記念し、これまでの東コースから初となる「フルコース1周(5.8km)」へと大幅に拡大された。急勾配の登りとテクニカルな下りが連続する難コースに、全国から集ったパラサイクリストたちが上半身の筋力を極限まで振り絞って挑んだ。レースは東コースのレコードホルダーである田中誠治と、車いす陸上出身で初出場の樋口政幸による一騎打ちとなり、最後の登りでスパートした樋口が10分02秒08で初出場・初優勝。力走する選手たちに、グランドスタンドから惜しみない拍手が送られた。

【鈴鹿ビレッジ&カルチャー】渡辺航先生の熱きメッセージ、辻啓写真講座、裏側を覗くバックヤードツアー

シマノ鈴鹿ロードの魅力は、コース上のレースだけにとどまらない。パドックに広がる「鈴鹿ビレッジ」は、レースを終えた選手や応援の家族連れで終日賑わいを見せた。

大人気コミック『弱虫ペダル』の原作者・渡辺航先生は初日の「体験鈴鹿サーキット」をファンとともに走行。その後のスペシャルトークショーでは、鈴鹿のコースを走った興奮とともに、作品に込めた思いを語った。
「自転車は景色を変えてくれる乗り物ですが、景色が変わっているのではなく、自分自身が変わっているんです。自分の足だけで遠くへ行く興奮、知らなかった自分の才能を発見する喜び。そして無事に家に帰ることこそが最大の勝利です」
語られた熱い言葉に、集まったファンは深く頷いていた。200枚限定で販売されたチャリティサコッシュは瞬く間に完売し、売上全額が災害復興支援へと寄付された。

また、ピットビルでは世界的サイクルフォトグラファー・辻啓氏による「ツール・ド・フランス写真展」が開催され、A1サイズの大迫力パネル21枚が展示された。QRコードを読み込むと撮影地のGoogleマップに飛ぶユニークな仕掛けに加え、受講生をコースサイドへ連れ出して直接流し撮りのテクニックを伝授する実践撮影講座も大盛況となった。

シマノ自転車博物館に所蔵されている収蔵品の展示、さらに今大会初導入となった「バックヤードツアー」では、F1開催時にも使われるレースコントロールルーム(管制室)やメディアルーム、表彰台の裏側を専任ガイドの案内で見学。併催された「ホンダレーシングギャラリーツアー」では、アイルトン・セナが駆った伝説のマシンをはじめとするホンダの歴代F1マシンやエンジンの進化を間近で体感できるなど、モータースポーツの聖地ならではの特別な体験が提供された。

出展ブースでは、シマノが発売されたばかりのフラッグシップシューズ「S-PHYRE」の試し履きや、カーボンスポークを採用した新型デュラエースホイールの展示・テストライドを実施。各社最新ロードバイクの試乗会や掘り出し物市、ご当地グルメのキッチンカーも大行列を作った。

シマノブースでは発売されたばかりのSPD-SLの展示、さらにフラッグシップシューズ「S-PHYRE」の試し履きができた
シマノバイカーズブースではマウンテンバイクのVR体験ができた。あまりのリアルさに、体験者は動かないはずの椅子が動いているように錯覚
リドレーブースでは身長150cm前後身長のジュニアライダー向けにカーボンロードバイク「ヤングスター」が試乗できた
スペシャライズドが特設ブース「SPECIALIZED EXPERIENCE LOUNGE」を開設。事前予約制による注目の最新フラッグシップ「S-Works Tarmac SL9」や発表されたばかりの「TARMAC SL9 COMP – SHIMANO 105 DI2」に乗れるプレミアム試乗会が行われた
BOA(ボア)フィットシステムの特設ブースが出展され、無料のBOAダイヤル交換サービスが行われた
SENAブースではエンデューロレースで人気のSENA BIKOM20も体験できた
鳥取県ブースではナショナルサイクルルートとなった「鳥取うみなみロード」と2027年に開催される ワールドマスターズゲームズ2027関西をアピール

世代を超え、誰もが主役になれる場所へ

1歳の幼児がキックバイクでゴールを目指す「ミルキー」から、70代のレジェンドたちが鎬を削る「マスターズ・オーバー60」、そして国内最高峰のプロたちが激突する「クラシック」まで――。シマノ鈴鹿ロードのパドックには、あらゆる世代、あらゆる脚力のサイクリストが自転車を通じて笑顔を交わす、唯一無二の光景が広がっていた。

解説を務めた元シマノレーシングの湊諒氏は「U17やU19の新設によって、若い選手たちがステップアップできる素晴らしいレールが敷かれました。レベルに応じた種目が細分化され、誰もが目標を持って走れる大会へと進化しています」と総括。同じく解説を務めた今中大介氏も「大集団で安全に走るためのマナーや技術を学び、そこから世界へと羽ばたく選手が生まれる。この素晴らしいサイクルカルチャーをこれからも大切にしていきたい」と語った。

秋の爽やかな風とともに幕を閉じた第41回シマノ鈴鹿ロード。安全性の向上と次世代育成、そしてファンサービスの拡充という新たな一歩を踏み出したこの大会は、来年、さらなる進化を遂げてサイクリストたちを再び鈴鹿のホームストレートへと迎え入れてくれるはずだ。

SHARE

PROFILE

せいちゃん

せいちゃん

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

せいちゃんの記事一覧

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

せいちゃんの記事一覧

No more pages to load