
計測区間が3か所に増えた奥久慈の125km! サバイバルレース「Okukuji X(奥久慈クロス)2026」DAY1ライドレポート
Bicycle Club編集部
- 2026年10月18日
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2026年10月17日(土)、秋晴れの奥久慈を舞台に、国内でも類を見ないサバイバルレース「Okukuji X(奥久慈クロス)~Ride & Trail~ 2026」が2回目の開催を迎えた。2日間のうち初日は、茨城県が誇る「奥久慈里山ヒルクライムルート」を走る125kmのライド。翌日は奥久慈の山々を舞台にトレイルランニングが行われる。2年目となる今年は、タイム計測区間が昨年の1か所から3か所へと増設され、コースもさらにパワーアップ。ゲストには、アドベンチャーレースやロングトライアスロンの第一線で活躍するライダーが参加した。ここでは自転車メディア「バイシクルクラブ」の取材班が、奥久慈の自然と食、そして人の温かさに触れた1日をレポートする。
2回目の開催、水戸城大手門に集う挑戦者たち

ライドのコースは、水戸市の水戸城大手門を出発し、那珂市、城里町、常陸大宮市、大子町を経て、ゴールの袋田(袋田滝本町営第二駐車場)を目指す全長125km。途中には茨城県最高峰・八溝山へのヒルクライムを含む3か所のタイム計測区間が設けられ、総獲得標高は2,093m。茨城県北部を縦断しながら、サイクリングとレースの両方を味わえるダイナミックなイベントだ。
朝、まだ冷気の残る水戸城大手門前でスタートセレモニーが開催された。主催者を代表して登壇した茨城県の清水充副知事は、「国内屈指のサバイバルレースに全国各地からお越しいただき、心より歓迎します」とあいさつ。さらに「コースは昨年にも増して過酷さをパワーアップしました。サイクリングの計測を1か所から3か所に増設し、トレイルも距離を延長。より多くの方が挑戦できるよう、入門者向けコースも新たに設定しました」と、2年目の進化を紹介した。優勝者には地元が誇るブランド牛「常陸牛」などの賞品が用意されていることも明かされた。
続いて、地元自治体の首長・来賓が登壇し、参加者へエールを送った。

続いて、地元自治体の首長・来賓が登壇し、参加者へエールを送った。
そして今大会のゲストライダーが紹介された。ひとりは、日本を代表するアドベンチャーレースチーム「Team EAST WIND(イーストウィンド)」の若手気鋭、鵜野田燿希(うのだ ようき)さん。高いMTB走力と卓越したトレイル走力を武器に、クロス熟達者部門(両日とも熟達者コース)で本気の優勝を狙う。「このレースのために京都から来ました。より過酷になったということで、みんなで長い旅を楽しみましょう」と意気込みを語った。
もうひとりは、「スポーツで旅する」をテーマに世界中で挑戦を続けるスポーツジャーナリスト、mizu(今泉瑞希)さん。世界最高峰のトライアスロン「IRONMAN世界選手権」や、総距離515kmにおよぶ「ULTRAMAN Canada」を完走したスーパーアスリートだ。この日はサイクリング熟達者コース(125km)を走り、翌日はトレイルランニング入門者コースに挑む。「計測区間と、楽しくサイクリングする区間が分かれているので、楽しみながら、苦しみながら2日間を過ごせたら」と笑顔を見せた。
午前の号砲とともに、選手たちは声援に包まれながら水戸城大手門をスタートした。

那珂川を渡る那珂市の先﨑光市長
今年の目玉は、計測区間が3か所に増設された新コース

2年目の最大のトピックが、タイム計測区間の増設だ。昨年は八溝山ヒルクライムの1か所のみだった計測が、今年は3か所に拡大。コースの各所に「頑張りどころ」が散りばめられ、脚自慢にとってはより走りごたえのあるレイアウトになった。
熟達者向け(125km/獲得標高2,093m)の計測区間は次の3か所。
・計測区間① 高部地区~タバッコ峠:5.1km/獲得標高179m/平均勾配3.5%/最大勾配14.8%
・計測区間② アップルライン下~アップルライン峠前:3.8km/獲得標高230m/平均勾配6.0%/最大勾配12.4%
・計測区間③ 八溝嶺神社鳥居~八溝山展望台:6.4km/獲得標高552m/平均勾配8.7%/最大勾配13.4%
計測の合間はグループライドとして自分のペースで走れるのも、このイベントの魅力。各エイドで地元の味を楽しみながら、脚を休め、ここぞという計測区間で全力を出す——。緩急のあるコース設計が、奥久慈の縦断をいっそう印象深いものにしていた。
エイドで味わう、奥久慈のごちそう

最初の補給所は、城里町の道の駅かつら。ここでは水戸市の「ショコラトリー ダルメゾン」による、奥久慈茶やイチゴなど茨城県産品を使ったボンボンショコラと、城里町産の米粉を使ったもちもちの生地に十勝産小豆のあんをたっぷり詰めた「かつどら」が振る舞われた。「勝つどら」という縁起のよい響きも、挑戦者たちの背中を押す。

2つ目の補給所、美和地域センターで味わえるのは、常陸大宮市の名物ドライブイン「まるしんドライブイン」の「けんちんそば」。茨城県認定のブランド品種「常陸秋そば」を使った手打ちそばが、冷えた体を芯から温めてくれる。さらに、那珂市のとんかつ専門店「かつ吉」特製のカツサンドも登場。サクッと揚がったカツと特製ソースの旨みが、走り続ける体に染みわたる。
そして3つ目のエイド、大子町の「大子おやき学校」。廃校を活用した施設で味わう素朴なおやきは、どこか懐かしく、童心に返らせてくれる一品だ。

いよいよ八溝山ヒルクライム、山頂にはアップルパイのご褒美

大子町を抜けると、正面に茨城県最高峰・八溝山が姿を現す。
計測区間③は、八溝嶺神社の鳥居から八溝山展望台までの6.4km。獲得標高552m、平均勾配8.7%という本格的なヒルクライムで、参加者の脚を容赦なく削っていく。

上りきった先、標高1,000mを超える八溝山展望台で待っているのは、奥久慈の名産「奥久慈りんご園の手作りアップルパイ」。
甘酸っぱいりんごとサクサクのパイ生地が、ヒルクライムを終えた体に格別のご褒美となる。展望台からは那須連山や磐梯山まで見渡せる絶景が広がり、苦しさを忘れさせてくれた。


八溝山から大子へ、秋の実りの中をゆく

八溝山の計測を終えれば、あとは大子へ向けての下り基調。山をくだっていく道は、秋の実りに満ちていた。名物のりんごが赤く色づき、黄金色の稲穂が頭を垂れ、のどかに放牧された牛の姿も。奥久慈ならではの里の風景に癒やされながら、ペダルを回していく。
そして大子の町からは、清流・久慈川に寄り添うように進み、ゴールの袋田の滝(袋田滝本町営第二駐車場)を目指す。川のせせらぎと澄んだ秋の空気が、長い一日の締めくくりにふさわしい時間を運んでくれた。

最後のアップダウンを越え、選手たちは続々とゴールの袋田(袋田滝本町営第二駐車場)へ。互いの健闘を称え合い、記念撮影を交わす笑顔が広がった。
メリハリのある3区間計測が、新しい楽しみを生んだ

ゴール後、サイクリング熟達者コースを走り切ったmizu(今泉瑞希)さんに話を聞いた。IRONMAN世界選手権やULTRAMANを完走してきた実力者でも、今年のコースには確かな手応えを感じたという。
「計測が3回だけなので、1時間くらい頑張ればいいかな、と思っていたんです。でも計測区間が分かれていることで、頑張って休んで、頑張って休んで、という繰り返しになって。これがすごく脚に来ました。レースだと、なかなかこういう感覚はないですね」と、増設された計測区間ならではの難しさを語ってくれた。

リザルト|サイクリング 男女トップ3

【サイクリング 熟達者(125km)】
〈男子〉
1位 長島敦之(天照CST) 00:43:22.71
2位 村澤勝彦 00:45:15.02
3位 武田拳志朗 00:45:17.15
〈女子〉
1位 影山絢子 01:00:52.17
2位 冨澤いずみ(加波一族) 01:07:12.19
3位 川崎彩弥(太田走友会) 01:22:05.81
※記録は計測区間の合計タイム(熟達者は計測3区間、入門者は計測1区間の合計)
【サイクリング 入門者(95km)】
〈男子〉
1位 江口智文 00:12:02.54
2位 一枝淳二(BBQ) 00:12:27.21
3位 栗原真路(つくばFD) 00:12:47.99
〈女子〉
1位 水野美津子 00:19:12.46
2位 鈴木利佳 00:19:21.66
3位 木村有希子(加波一族) 00:20:21.24
奥久慈を“走る”という体験、Day2はトレイルランニングへ

Okukuji X のDAY1は、単なるレースではなく、地域の人々の笑顔と食、そして自然を存分に楽しむ1日となった。計測区間が3か所に増えたことで、走りの奥行きはさらに増し、挑戦のしがいも大きくなった。大会は翌10月18日(日)、袋田を舞台にしたトレイルランニングへと続く。ランナーたちの新たな挑戦が、奥久慈の山で待っている。
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