
定点観測|旬のライチョウと雷鳥写真家の小噺 #68
高橋広平
- 2026年07月20日
2026年6月に長野県松本市で開催されたイベント「信州山フェスタ」で、私が代表を勤める表現者グループ「作家結社 雷鳥」の立ち上げ興行を行なうことができた。ライチョウのディテールに強いこだわりをもつ私とその仲間たちによる不定期活動ではあるが、作家ごとに取り扱いジャンルが際立っているので、推しの作家を見つけていただければなおのことうれしい。
編集◉PEAKS編集部
文・写真◉高橋広平
定点観測
信州山フェスタの参加後、毎年恒例となっている知り合いのライチョウ家族のヒナたちに会うために急いで稜線に上がった。ちょうど台風一過となった山の上は、下界の暑さとデスクワークでなまった体には大変助かるものであった。
いつもならヒナが孵化する前に現地入りしているが、今回はほぼ孵化と同時のタイミングでの入山となった。道中、まだ抱卵をしている最中の証であるその名も「抱卵糞」などを発見して、この縄張りの子はまだ孵化していないのかなとか思いを巡らせながらの稜線歩きをしていた。
そうこうして定点観測しているフィールドへ。ここには私が「知り合いの人妻」と呼んでいるメスのライチョウが住んでいる。とりわけこの個体に関しては私のことを認知しているようで撮影に協力してくれている。というのは人間の手前味噌な解釈であるが、実際、私という人間が抱卵期や育鄒期に近くにいることによって捕食者避けになっているので、このライチョウとしては都合が良いというのが真実であろう。何年もかけて私という存在を無害なものとして知ってくれたがうえでの関係性である。
さて、肝心のヒナであるが、今年も無事に孵っていた。黄色くてフワフワの小さい天使があたりをヒヨヒヨ言いながら動き回っているさまは筆舌に尽くし難くかわいらしい。
今回の一枚は、私の知り合いが産んだかわいいお子さんの写真である。被写界深度を極力狭くして撮影してポートレート感を強調している。ちなみに奥に母鳥とほかの兄弟姉妹たちが写っている。この子たちも「人を恐れないライチョウ」に育って欲しいものだが、登山者や撮影者はいろいろいる。彼らにはできるだけ良い出会いだけあるようにと願ってやまない。

今週のアザーカット

2026年7月17日より1カ月間、岐阜は平湯にある奥飛驒ビジターセンターにて写真展を開催しております。となりに平湯バスターミナルと温泉施設があり、多くの登山者や観光客の利用があるようです。今回は組写真作品「こがねさんと銀さん」と全倍サイズ(900×600mm)のパネルでまとめた写真群の2部構成の展示となります。軽い茶目っ気の展示物も仕込んでありますので、山の帰りにでも寄っていただければうれしいです。あと、同じく7月下旬から新宿御苑のインフォメーションセンターで開催される環境省の展示にも私の写真のコーナーを設置予定です。詳細は私のSNSなどで発信していきますので確認していただけますと幸いです。
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PROFILE
PEAKS / 雷鳥写真家・ライチョウ総合作家
高橋広平
1977年北海道生まれ。随一にして唯一のライチョウ専門の写真家。厳冬期を含め通年でライチョウの生態を紐解き続けている。各地での写真展開催をはじめ様々な方法を用いて保護・普及啓発を進めている。現在「長野県内全小中学校への写真集“雷鳥“贈呈計画」を推進中。 Instagram : sundays_photo
1977年北海道生まれ。随一にして唯一のライチョウ専門の写真家。厳冬期を含め通年でライチョウの生態を紐解き続けている。各地での写真展開催をはじめ様々な方法を用いて保護・普及啓発を進めている。現在「長野県内全小中学校への写真集“雷鳥“贈呈計画」を推進中。 Instagram : sundays_photo
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