BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • VINAVIS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo
  • タビノリ

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

イタリア・オルコ渓谷でのクライミングライフ。パウンドケーキの端っこを薄く切ってへばりつけたような岩を登る|筆とまなざし#478

オルコ渓谷はマルチピッチルートの宝庫

ロカーナからチェレゾーレ・レアーレへ向かう途中、ノアスカという集落を通る。カフェやお土産物屋が数軒並ぶ小さな通りを通りすぎるとすぐにヘアピンカーブが連続する急坂になるのだが、そこを通るたびに見える岩が以前から気になっていた。

岩壁の下部に、まるでパウンドケーキの端っこを薄く切ってへばりつけたような岩がある。壁が大きいので小さく見えるが、それだけで100m近くの高差がある。トポを見ると、オルコでも随一のやばいルート(高グレードかつプアプロテクション)があるのだが、そのルートの左端、岩壁との凹角に4ピッチの易しいマルチピッチルートがあることがわかった。グレードは最高で6a、5.10aほど。プロテクションはカムなのでクラック主体のようである。洗濯をして遅出の出発になった日、そのマルチピッチを登りに出かけた。

25分ほどのアプローチで取り付きに付いた。周辺にもたくさんのマルチピッチルートがあって、改めてオルコはマルチピッチの宝庫だなと思う。この辺りはスラブ主体だが、ほかの岩場にはクラックルートも多い。

易しいグレードにもかかわらず少々渋みのあるルート

1ピッチ目は短く易しいアプローチピッチ。2ピッチ目は5bながら、日陰になっているせいもあってなかなかの威圧感だ。実際に被っているところが多く、また落っこちてきそうなブロック状の岩が積み重なっていて怖い。ライン取りもわかりにくく、ロープドラッグが酷くなったので途中の灌木とカムでアンカーを作ってピッチを切った。すっきりとしたクラックでのフリークライミングを期待していたが、なかなかアルパイン要素の強いルートである。蓋を開けてみるとその少し上にアンカーが設置されていたのだが、いずれにせよカムが足りなくて登れなかったことがわかった。3ピッチ目は短いながらすっきりとしたフィストクラックが出てきて、そこを越えるとパウンドケーキの頭に出た。ここまで日陰で寒かったが、ようやく日の目を見ることができた。

さて、最後が核心ピッチである。一旦パウンドケーキの「耳」を回り込むように、ホールドのない壁を回り込み、カチがふたつ続く壁をえいやっと越えて岩棚へ。ノープロテクションなので少し緊張する。さらにそこから岩棚を左にトラバース、被り気味のコーナークラックを登る。ロープの流れを考慮してランナーをずいぶん延ばしているので迂闊に落ちられない。これで6aか、と思う。コーナークラックを登るとクライミング的な要素は終わるのだろう、ラペルステーションが設置されていた。けれどもルートは上部のスラブをランナウトしながら立木まで続いている。せっかくなので最後まで登ることにして、これまた摩擦で重くなったロープを引っ張りながら登った。懸垂2回で取り付きへ。グレードに反して少々渋みのあるルートだったが、遅出でも十分楽しめるマルチピッチだった。

これまでショートルートのクラック中心に登っていたが、オルコにはボルトルートはもちろんマルチピッチも無限にある。まだまだオルコ渓谷での楽しみは尽きなさそうである。

著者:ライター・絵描き・クライマー/成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ、在住。 山やクライミングでのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作したアトリエ小屋で制作に取り組みながら、地元の岩場に通い、各地へクライミングトリップに出かけるのが楽しみ。日本山岳ガイド協会認定フリークライミングインストラクターでもあり、クライミング講習会も行なっている。

https://www.naruseyohei.com

SHARE

PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

RECOMMEND ITEM

[ 公式オンラインショップおすすめアイテム ]

No more pages to load