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岩場での基本を知ろうの段【登山スキル上達道場 いつかはエクスペディション!】其の一|PEAKS 2026年7月号

新人編集部員・ホディが、登山術に精通する〝師匠〞に弟子入りし、スキル上達を図る道場稽古録。第1回は、岩場での基本姿勢の習得を目指します。今回も、いざ体認!

文◉ホディ
写真◉小久江 岳

【師匠】山岳ガイド 佐藤勇介

日本山岳ガイド協会認定山岳ガイド(ステージⅡ)。20年以上のキャリアとなるガイド業のかたわら、東京都・西立川にあるクライミングジム、カメロパルダリスの運営も行なう。

北アルプス・穂高連峰にあるジャンダルム。ロープでの安全確保をしながら進んでいく(写真◉佐藤勇介)。
北アルプスの大キレット。北穂高岳から南岳をつなぐ人気の岩稜ルートだ(写真◉武部努龍)

【弟子】ホディ

4月に新社会人となり編集部入りしたZ世代。登山歴は3年ほどでもっぱら夏山を楽しみ、さらなる上達を目指す。UMAは見たことがないが、UFOの大船団は一度だけ目撃している。

新人編集部員・ホデ ィは、目的地に着くと開口一番に申し出た。「佐藤さん、僕を弟子にしてください!」口をついて出た突然の志願に一瞬だけ驚いたようだったが、その人、山岳ガイドの佐藤勇介さんは、すぐにいつもの柔和な表情になって返答した。「わかりました。ホデ ィ、あなたを弟子としましょう。ところで藪から棒にどうしたんですか?」

ホ:ああ師匠! ありがとうございます。じつは僕、ヒマラヤに行きたい、いや行かなきゃならないのです。
師:ほう、あのヒマラヤですか。
ホ:そうです。ヒマラヤ。師匠は〝イエティ〞ってご存じですか?
師:〝雪男のUMA〞のイエティ?
ホ:流石です。とある情報筋『M』から、イエティはヒマラヤに実在するとの確報を得まして──どうしても第一発見者になりたい。UMA史に名を刻む男になりたいのです。
師:う〜む、でも、それならミス探(※本誌参照)の大内さんじゃない?
ホ:まあたしかに……。でも大内さんもお忙しそうだし、こはやはり僕の出番です! というわけでヒマラヤでの高所登山、エクスペディションスキルをご指南いただきたく。
師:事情はわかりました。ただし、まずは国内で基礎固めだね。ホディはどれくらいの登山経験があるの?
ホ:登山歴は約3年で、おもに夏山です。北アルプスの高峰にもいつか行ってみたい、というところで。
師:なるほど。であれば、まずは高峰での基礎を習得しましょう。高峰エリアには、急峻な岩の尾根を進む〝岩稜ルート〞があります。そこを確実に通過するためには、岩場を安全に歩く知識や、ルートによってはロープワークでの安全確保も必要。今日のところは手始めとして、岩場での基本姿勢を修めましょうか。
ホ:わかりました! ところで、イエティ捜索エクスペディション遠征回はいつごろになりますかね?
師:ざっと……15年後くらいかな。
ホ:うげっ、ヤバ。先越されちゃう。もっとペースアップしましょう!
師:焦りは禁物。一歩一歩です。
ホ:イエティが未確認であり続けることを願います。ともあれ、次回稽古からもよろしくお願いします!
師:着実に上達していきましょう!

岩場での基本姿勢

岩稜ルート歩きの基本としてまず修めるのは、岩場での基本姿勢。「脇を締め、もう片方の腕はしっかり伸ばします。両足は肩幅くらい開き、つま先で立ち込むように。胸を張り、背筋を伸ばすと上半身が壁から離れて視野を確保できるので、次に持つホールドや足を置く位置を探しやすくなります」

この姿勢をとると足の真上に腰が乗り、さらに背筋と頭まで一直線になるため重心が安定。また、余分な腕力を使わずに済むので、体への負荷がより小さく効率的な動きで岩稜帯を通過できる。「この姿勢を基本に、岩場では両手・両足の4点のいずれか1点を動かす三点支持で行動します」

Good

NG

脇が開いたまま腕を伸ばすと腰が落ち、バランスを崩してしまう
ひじが曲がって体をひきつけてしまうと、腰が引けたへっぴり腰に。視野が狭まり次の動きをとりづらい

ホールドの持ち方

〝ホールド〞とは、突起やくぼみなど岩場で手がかりとなるものだ。目線が届く範囲内から探すと、ホールドの位置や形状をよく観察できる。持ちやすいホールドを見つけたら、自然に力を込めやすい持ち方を探りながら、手のひら全体と指でしっかりとつかもう。「ポイントは脇を締めること。背中の筋肉を使えるので、腕の筋肉を休ませつつより大きな力でホールドを持つことができます」

Good

脇を締め、余計な腕力を使わず省エネでホールドをつかめている。

NG:脇が開くと余計な腕力を使うのでNG!

脇が開いたままの持ち方。ひじが横に張ってバランスが悪いばかりではなく、腕力に頼っているぶん、腕に余計な疲労がたまってしまう。

足の置き方

岩場での足がかりが〝フットホールド〞。手元に比べ、目線の範囲が狭く遠いため、足場をよく観察していい位置を見つけたい。「足は岩の面に対して真っすぐに、直角になるように置きます。つま先でもっとも力が入る親指と、その付け根にあたる母指球をフットホールドに乗せると、自然と立ち込みやすい姿勢になります。カカトは水平か、少し下げ気味にしておくとよいでしょう」

Good

足は岩に対して直角に。立ち込みやすく、足元のバランスも安定。

NG

カカトを浮かせると足元が不安定になる
ガニ股は接地面積が増えて安定するように見えるが、足首が固定されて動きにくい

クライミングジム カメロパルダリス

住所:東京都昭島市東町3-4-11
TEL:042-541-5566
営業時間:平日/13:00〜22:30
土日祝/9:00〜20:00
定休日:月曜(祝日は営業)

※この記事はPEAKS[2026年7月号 No.178]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
※最新の情報を直接ご確認の上ご計画ください。

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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