BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • VINAVIS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo
  • タビノリ

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

おおいたアーバンクラシック 元WTのセプルベダが登坂スプリントを制す 沢田時がアジア最高位

大分市を舞台にした2連戦の最終日「おおいたアーバンクラシック ロードレース」が10月4日(日)に開催された。大分スポーツ公園周辺のタフな丘陵サーキットを舞台にした150.8kmの戦いは、序盤からハイペースな逃げと追走劇が展開。残り3周で逃げを吸収した後の登坂アタック合戦で絞り込まれた精鋭10名によるゴール勝負となり、元ワールドツアーの実力者エドゥアルド・セプルベダ(リーニン・スター、アルゼンチン)が強烈な登坂スプリントで栄冠を掴み取った。日本人最高位の6位に入った沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン)がアジア最優秀選手賞を獲得している。

例年とは異なる冷涼な秋空 クラサスドーム大分を発着する150.8kmのサバイバル

前日のクリテリウムの熱狂冷めやらぬ大分市で迎えた「OITAサイクルフェス!!!2026」の最終日。舞台を大分市街地から大分スポーツ公園へと移し、UCI1.2クラスのワンデーロードレース「おおいたアーバンクラシック」が行われた。

会場となる大分スポーツ公園周辺に特設された1周11.6kmのサーキットコースは、平坦路がほぼ存在せず、小刻みなアップダウンとコーナーが連続する屈指の難関レイアウト。ラスト1kmからはフィニッシュラインが待つ「クラサスドーム大分」へ向けて上り坂が続き、最後は勾配5%超の登坂スプリントで勝敗が決する。

例年は30℃を超える厳しい残暑の中で選手たちの体力が削られる過酷なサバイバルレースとなることも多いが、この日は朝から小雨がぱらつく曇り空。スタート前の気温は22℃と例年より10℃近く低く、選手にとっては走りやすい気候となった。しかし、この「走りやすさ」こそが、終始緩むことのないハイペースと過酷な展開を生み出す序曲となった。

出走したのは海外6チーム、国内12チームの計18チーム・総勢102名。午前9時ジャスト、大分県自転車競技連盟・三浦由紀会長による号砲とともに、13周・総距離150.8kmの長い戦いの火ぶたが切られた。

序盤から生まれた超豪華な逃げ5名 耐え続ける主将・孫崎大樹の執念

アクチュアルスタートが切られると同時に、有力勢によるアタック合戦が勃発した。「前々で展開しないと後手に回る」という各チームの共通認識通り、1周目からハイスピードな出入りが繰り返される。

2周目、抜け出した選手たちによって形成されたのは、わずか5名ながらあまりにも豪華な顔ぶれだった。
ルーマニアチャンピオンジャージを着るクリスティアン・ライレアヌ(リーニン・スター)、世界選手権U23オーストラリア代表のウィリアム・ヘファーナン(キャッシュXボディラップ)、アジア競技大会TT銀メダリストの今村駿介(日本ナショナルチーム)、Jプロツアー総合王者の岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン)、そしてヴィクトワール広島のキャプテン孫崎大樹。

ラスト数周の先頭集団と言っても過言ではない強力な逃げに対し、後方のメイン集団もすぐさま反応。一時は11名が追走を試みるが、集団がこれを飲み込むと、先頭5名と集団とのタイム差は1分、そして最大で1分40秒ほどまで開いた。

しかし、この逃げ集団の中で孫崎が苦境に立たされる。強烈なハイペースに脚を削られ、先頭交代に加わることが困難になってしまったのだ。それでも孫崎は決して諦めず、最後尾に張り付いて千切れない粘りを見せる。

後方には前年覇者でエースのエリオット・シュルツ(オーストラリア)が控えているヴィクトワール広島にとって、孫崎が先頭に留まり続けることは「追走の責任を負わずにエースを休ませる」ための極めて重要な戦術的支柱となる。苦悶の表情を浮かべ、首を振りながらも決して先頭集団から離れない孫崎の走りは、まさにキャプテンとしての執念そのものだった。

ルージャイとキナンによる猛追 残り3周で振り出しへ

レース中盤、先頭に選手を送り込めず後手に回ったルージャイ・インシュランス・ウィンスペースと、キナンレーシングチームが集団先頭に陣取り、組織的な追走を開始する。

ルージャイがチーム総出でペースを引き上げ、キナンも新城雄大や草場啓吾らが牽引に加わると、1分半以上あったタイム差はじわじわと縮まり始めた。先頭の5名も補給を摂りながら粘り強くローテーションを回すが、消耗戦の中で残り6周で45秒、残り4周で35秒と、集団の足音が確実に迫る。

そして残り3周を迎える直前のクラサスドームへの上り坂、先頭から役目を果たした孫崎が力尽きてドロップ。残る4名(今村、岡、ライレアヌ、ヘファーナン)も、ルージャイとキナンが強烈に牽引するメイン集団に飲み込まれ、100km以上に及んだ長い逃げ劇はついに振り出しへと戻された。

公園通りの登坂で生まれた11名の精鋭 明暗分かれた有力勢

逃げが吸収された瞬間にレースが落ち着くことはなかった。クラサスドームの外周を回り、パークプレイス大分・公園通りの住宅街へと突入する登坂区間で、すかさず激しいカウンターアタックが炸裂する。

力勝負の登坂セレクションを仕掛けたのは、前日のクリテリウムでも驚異的な牽引を見せたエドゥアルド・セプルベダ(リーニン・スター、アルゼンチン)やレイン・タラマエ(キナンレーシングチーム、エストニア)。この強烈なペースアップによって集団は粉砕され、先頭には11名の精鋭集団が形成された。

先頭に生き残った11名

  • リーニン・スター:エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン)、ルーク・マッジウェイ(ニュージーランド)
  • ヴィクトワール広島:エリオット・シュルツ(オーストラリア)、ルーク・バーンズ(オーストラリア)
  • キナンレーシングチーム:小石祐馬、レイン・タラマエ(エストニア)
  • VC福岡:ジェラルド・レデスマ(スペイン)、山本大喜
  • Astemo宇都宮ブリッツェン:沢田時
  • チームUKYO:寺田吉騎
  • キャッシュXボディラップ:ノア・ブランニン(オーストラリア)

前日クリテリウム覇者の寺田吉騎が卓越した登坂力で見事に先頭に生き残る一方、レース中盤の追走を一手に担ったルージャイは、エースのカーター・ベトルズやディラン・ホプキンズ(ともにオーストラリア)を送り込むことができず、痛恨の戦術的敗退を喫した。

後方からシモン・ペロー(リーニン・スター、スイス)が単独でブリッジを試みるも届かず、追走集団とのタイム差は1分以上に拡大。勝負はこの11名による優勝争いへと絞り込まれた。

タラマエの献身と小石のアタック 登坂スプリントをセプルベダが制す

残り1周を告げるジャンが鳴り響くコントロールラインの手前、登坂のハイペースに耐えかねた山本大喜(VC福岡)が遅れ、先頭は10名となる。

ファイナルラップに入ると、キナンレーシングチームの元ワールドツアーレーサー、レイン・タラマエが動いた。自身も太ももに痙攣の兆候を抱えながらも、好調な小石祐馬のために集団先頭でペースを強烈に引き上げる。公園通りの登坂でルーク・バーンズ(ヴィクトワール広島、オーストラリア)がアタックを仕掛けると、すかさず小石がカウンターで飛び出し、寺田吉騎(チームUKYO)も冷静にこれに反応。有力勢同士の熾烈な鍔迫り合いが繰り広げられた。

下り区間を終え、いよいよ勝負は残り1kmからの登坂へ。献身的な引きを見せたタラマエを先頭に、10名がひとかたまりとなって残り500mの直角右コーナーをクリア。クラサスドーム前の上り直線へと突入した。

残り300m、元NIPPO・EF・マルティーグ所属で2026年1月のオーストラリア選手権U23で2位に入った若きノア・ブランニン(キャッシュXボディラップ)が意を決してロングスプリントを敢行。一気にリードを奪いにかかるが、その背後から満を持して飛び出したのがエドゥアルド・セプルベダだった。

かつてモビスターやロット・ディスティニーでグランツールなどのワールドツアーを駆け抜けた35歳のベテランは、登坂スプリントで驚異的な伸びを見せ、残り数十メートルでブランニンを完璧に差し切ってフィニッシュラインを先頭で通過。両腕を広げ、歓喜の雄叫びを響かせた。

勝ちタイムは3時間19分53秒。平均時速45.26kmという、過去の大会記録を大きく塗り替える超ハイペース決戦となった。完走者は出走102名中わずか47名(完走率46%)。激しい消耗戦を制したセプルベダが、アジアツアー屈指の難関ワンデーを力でねじ伏せてみせた。

表彰式&選手コメント

優勝:エドゥアルド・セプルベダ(リーニン・スター、アルゼンチン)

「レース中盤は調子があまり良くなくて本当にきつかった。正直、優勝できるか不安だったけれど、終盤にいくつかのアタックがかかり、最後はスプリント勝負になると信じて全力を尽くした。

チームにとっても、アジアで走る自分にとっても特別な勝利になった。サポートしてくれたチームメイトと日本の素晴らしいファンに感謝したい」

2位&U23最優秀選手賞:ノア・ブランニン(キャッシュXボディラップ、オーストラリア)

登坂で積極的にレースを動かし、最後は自らロングスプリントを仕掛けて2位に食い込んだ21歳のブランニン。U23最優秀選手賞のホワイトジャージを獲得し、表彰台で大きな笑顔を見せた。

3位:エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島、オーストラリア)

前日のクリテリウム2位に続き、2日連続で表彰台に登壇した前年覇者のシュルツ。「タフなレースだったが、チームメイトたちが完璧な仕事をしてくれた。孫崎の逃げやバーンズのアシストに感謝したい。連覇は逃したが、全力を出し切った結果の表彰台には満足している」

6位&アジア最優秀選手賞:沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン)

写真:宇都宮ブリッツェン

「正直、トップ10に入れるとは思っていませんでした。チームとしてはエースの岡選手が1周目から果敢に逃げに乗ってくれて、それが捕まった後にたまたま自分が前方に残ることができ、勝負を託される形になりました。

足の状態的に表彰台は厳しいと感じていたので、最後は少しでも前の順位を目指してスプリントに備えました。6位という結果で、アジア最優秀選手賞という名誉な賞をいただけて良かったです。1週間前のアジア競技大会MTBでは悔しい思いをしましたが、上げてきた調子をこうして結果に繋げることができました。来週はグラベル世界選手権、そして2週間後には地元でのジャパンカップが控えているので、良い弾みになりました」

7位:小石祐馬(キナンレーシングチーム)

「結果は結果ですが、展開として最初の5人の強い逃げに僕たちは誰も入っていなかったので、そこからルージャイと協力して追いかけ、捕まえてから勝負に持ち込むという、チームでレースを動かして主導権を握れたのはすごく良かったです。最終局面は僕とタラマエ選手の2人だけになり、優勝を狙うためにスプリントより途中で抜け出す動きを意識した分、最後のスプリントでは力が残っていませんでした。それでもチーム全員が最初から役割を果たしての結果なので、次につながるレースができたと思います」

アジアの頂点へ 次なる戦いへ続く日本のロードレースシーン

初日の高速クリテリウムでの寺田吉騎の逃げ切り勝利、そして2日目のタフなロードレースでのセプルベダによる元ワールドツアーの底力と、見どころ満載の熱戦が繰り広げられた「OITAサイクルフェス!!!2026」。

大分での激闘を終えた各チームは、翌週に控える「マイナビ ツール・ド・九州」、そして世界トップチームが集結する宇都宮の「宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース」へと転戦していく。秋の本格的な国際レースシーズンを迎え、選手たちの戦いはさらに熱を帯びていく。

リザルト

1位 エドゥアルド・セプルベダ(リーニン・スター、アルゼンチン) 3h19m53s
2位 ノア・ブランニン(キャッシュXボディラップ、オーストラリア)
3位 エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島、オーストラリア)
4位 ルーク・マッジウェイ(リーニン・スター、ニュージーランド)
5位 ジェラルド・レデスマ(VC福岡、スペイン) +3s
6位 沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) +5s
7位 小石祐馬(キナンレーシングチーム)
8位 寺田吉騎(チームUKYO) +8s
9位 ルーク・バーンズ(ヴィクトワール広島、オーストラリア)
10位 レイン・タラマエ(キナンレーシングチーム、エストニア) +44s

アジア最優秀選手賞
沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン)

U23最優秀選手賞
ノア・ブランニン(キャッシュXボディラップ、オーストラリア)

SHARE

PROFILE

せいちゃん

せいちゃん

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

せいちゃんの記事一覧

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

せいちゃんの記事一覧

No more pages to load