
「冷静に戦えた」川本翔大が雨のロードTTで金メダル 杉浦佳子は銀、小釜莉代は5位|アジアパラ
Bicycle Club編集部
- 2026年10月22日
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愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会のパラサイクリング競技3日目が10月21日、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンター(5kmサーキット)で行われ、ロード種目のタイムトライアルが実施された。雨が降り続く難コンディションのなか、男子AC1-5 15kmタイムトライアルで川本翔大が金メダル、女子C1-5 15kmタイムトライアルで杉浦佳子が銀メダルを獲得した。
大会公式サイトの集計によると、日本の自転車競技のメダル獲得数は3日間で金3、銀3、銅4の計10個となった。中国、韓国、ウズベキスタンに次ぐ4位につけており、残るロードレースでさらなるメダル量産を狙う。
川本翔大が金メダル 実測3番手から係数換算で逆転

男子C1-5 15kmタイムトライアルは、C1からC5までの選手が同時に出走し、障がいクラスごとの係数を用いた換算タイムで順位を決定する。C2クラス(係数90.45%)の川本は実測27分54秒98を記録。換算タイム25分15秒01で見事優勝を果たした。
レース中、5km・10km通過時点およびフィニッシュ時点の実測順位はいずれも3番手。それでも換算タイムでライバルを上回り、2位のブニョド・ハイトマハマドフ(ウズベキスタン)に24秒45差をつけて頂点に立った。3位は梁偉聡(リャン・ウェイツォン、中国)だった。大会初日の男子C1-2 3000m個人パーシュートの金メダル、前日の男子C1-3 1000mタイムトライアルの銅メダルに続き、川本は今大会3個目(金メダルとしては2個目)のメダル獲得となった。

結果が暫定だったフィニッシュ直後、川本は安堵した表情でこう語った。
「暫定ではありますが、ほぼ確定ということですね。しっかり走れたので、そこは良かったかなと思います」
レース中の手応えについては、次のように振り返った。
「タイムは見ていませんでしたが、自分のいい走りをすれば結果はついてくると思っていました。冷静に戦えたのが良かったかなと思います」

なお、同レースに出場した亀田琉斗(C5)は実測28分28秒52で10位。最終周の9分03秒23は出場全選手中最速ラップを記録した。
杉浦佳子が銀メダル 実測トップも係数差で届かず

女子C1-5 15kmタイムトライアルには7人が出場した。C3クラス(係数93.23%)の杉浦は実測30分01秒31をマークし、出走選手中最速タイムを叩き出した。しかし換算タイムは27分59秒36となり、惜しくも銀メダルとなった。
優勝はC1クラスの銭王偉(チェン・ワンウェイ、中国)。実測31分48秒67ながら、係数換算26分56秒64で杉浦を上回った。3位は王小梅(ワン・シャオメイ、中国)。前日の1000mタイムトライアルと同じ顔ぶれが表彰台に並び、今回は2位と3位が入れ替わる形となった。杉浦は3000m個人パーシュートの銀、1000mタイムトライアルの銅に続き、今大会3個目のメダル獲得となった。

5km通過(10分10秒81)、10km通過(20分21秒70)ともに実測トップを維持し、最終周には9分39秒61までペースを引き上げた杉浦。レース後、悪天候への対応について問われると、次のように明かした。
「以前の雨のレースの記憶を生かしました。その時に失敗したブレーキングの仕方を思い出しながら、雨の場合はどこでブレーキをかけるかを決めて走りました。路面に苔のある場所も覚えていたので意識していました」
勝負どころについては「2号橋を越えてから頑張りました」と語り、最終周のペースアップに関しては「上り切ってしまえば、あとは下りなので、そこは出し切ろうと思いました。それまでは抑えていました」と振り返った。結果については「2位かもしれませんが、走りの内容には満足しています」と胸を張った。
小釜莉代は5位 ウェット路面の下りに苦戦
女子C1-5 15kmタイムトライアルに出場した小釜莉代は、換算タイム34分53秒05で5位となった。実測では4番手のタイムを記録したものの、係数換算で順位が入れ替わり、惜しくも表彰台には届かなかった。

レース後、小釜は難しいコースコンディションを振り返った。
「上りは平気なんですけど、下りはコーナリングがまだ下手なので怖かったです。特に今日はウェットだったので、滑らないように慎重に行き過ぎました」
4位のカモラ・ヌリッラエワ(ウズベキスタン、C4)との争いについては、「もっと早く近づけると思ったんですけど、最後まで抜けなくて負けてしまいました。下りで離されて、上りで近づくの繰り返しでしたが、最後は相手も上りを上げてきたので近づけませんでした」と悔しさをにじませた。
トラック種目で銅メダルを獲得して迎えたロードタイムトライアルについて、「ロードの方が得意ですし、上りも得意なのでチャンスはあると思っていました。ただ今日が一番メダルの厳しい種目だとも思っていました」と分析。地元日本開催のアジアパラについては、「東北では事前にあまりニュースが入ってこなかったんですが、私が獲った銅メダルが日本人選手第1号だったと聞いて、宮城や福島からお祝いの連絡が来ました。向こうも盛り上がってきているなと思うので、自分ももっと貢献できたらと思います」と笑顔を見せた。
23日に行われるロードレースに向けては「一番大事な種目だと思っています」と力を込めた。
木村/三浦組は4位 山路/稲毛組は5位

男子B 20kmタイムトライアルでは、ナイル・エルムハンベト/ルスラン・アリエフ組(カザフスタン)が34分09秒17で優勝。2位にキリル・イリュケビッチ/グレブ・ブルセンスキー組(カザフスタン)、3位にヌル・フェンディ/ムフティ・ファディラ・サルマ組(インドネシア)が入った。
前日の1000mタイムトライアルで金メダルを獲得した木村和平/三浦生誠組は41分03秒46で4位に終わり、銅メダルまであと1分03秒46届かなかった。山路喬哉/稲毛健太組は41分39秒64で5位となった。
権丈監督「もう一つ欲張って金を取る」

大会折り返しの3日目を終え、日本代表の権丈泰巳監督は手応えを語った。
「メダル獲得が期待されていた選手たちがしっかり結果を出してくれました。メダルには届かなかった選手もいましたが、タンデム勢が4位、5位に入るなど、それぞれが期待以上の走りを見せてくれたと思います」
23日のロードレースに向けては、次のようにファンへの呼びかけを行った。
「今日は川本君はもちろん金を取ったので、もう一つ欲張って金を取ります。あとは杉浦選手、惜しくも今回は銀だったので、ロードレースでは必ず金を取るようにですね。皆さんの追い風が欲しいなと思いますので、ぜひ声援をお願いします」

冷たい雨に見舞われたこの日のタイムトライアルでは、限界まで力を振り絞る選手たちの姿が各所で見られた。フィニッシュ後に疲労困憊となったハンドサイクル選手をコミセールが支え、安全なエリアへと誘導する一幕もあり、コースと天候の過酷さを物語っていた。
22日はハンドサイクルおよびトライシクルのロードレースが実施され、23日には川本、杉浦、小釜、男子タンデム勢らが出場するロードレースが控える。大会はいよいよ終盤戦へ。伊豆の難コースを舞台に、残る2日間も熱戦が続く。
日本勢メダル獲得者

金メダル 川本翔大(男子C1-5 15kmタイムトライアル)

銀メダル 杉浦佳子(女子C1-5 15kmタイムトライアル)
日本勢主な結果

川本翔大 1位(男子C1-5タイムトライアル)25分15秒01[換算]

杉浦佳子 2位(女子C1-5タイムトライアル)27分59秒36[換算]

小釜莉代 5位(女子C1-5タイムトライアル)34分53秒05[換算]

木村和平/三浦生誠 4位(男子Bタイムトライアル)41分03秒46

山路喬哉/稲毛健太 5位(男子Bタイムトライアル)41分39秒64

亀田琉斗 10位(男子C1-5タイムトライアル)28分28秒52

田中祥隆 5位(男子H1-5タイムトライアル・H3)26分45秒05[換算]

野田昭和 6位(男子H1-5タイムトライアル・H2)27分27秒91[換算]

福井万葉 5位(男子T1-2タイムトライアル・T2)24分25秒20
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 文と写真:井上和隆
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