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冒険とプロダクトが紡いだ60年。ザ・ノース・フェイスが歩んだ「探求」の軌跡

1966年、サンフランシスコのノースビーチで創業したTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)は、2026年に60周年を迎える。その節目にブランド自身が改めて投げかけるのは、「ザ・ノース・フェイスとは、何者か?」という問いだ。

ザ・ノース・フェイスは自らを、単なるアウトドアブランドではなく「エクスプロレーションブランド」と位置づけている。その言葉を紐解く鍵となるのが、「自然と共に探求すること」だ。自然と向き合い、未知へ挑み、アスリートとの挑戦、革新的なプロダクトや素材の開発、デザイン、カルチャーとの共創を通じて、60年にわたり探求を続けてきた。

その思想と歩み、そしてその先に描く未来を伝える特別展示「NEVER STOP EXPLORING EXHIBITION」が、2026年10月1日(木)から10月31日(土)まで、東京・表参道に位置するゴールドウイン東京本社で開催される。

文◉PEAKS編集部

ブランドの原点をたどる「OPENROAD」

本展は、「Exploring with Nature(自然と共に探求すること)」を副題とし、10のエレメント(展示を構成する「探求」のテーマ)で構成されている。そのなかから、まずブランドの原点にあたる「OPENROAD」を紹介したい。

1968年にノースビーチの店舗を引き継ぎ、その後ものづくりを開始したザ・ノース・フェイスの第二期創業者、ケネス・ハップ・クロップ。展示では、彼が1960年代から70年代前半に生み出したプロダクトとともに、ブランドに込められた思想や原点が紹介される。

バックパッキングとともに歩み始めたブランドが、60年後の現在までさまざまな領域で探求を続けている。いまのザ・ノース・フェイスにつながる探求はどこから始まったのか。その出発点を知ることのできる展示だ。

アスリート、冒険、プロダクト。「TRUENORTH」が問い直す冒険の本質

▲1997年、アメリカ・ヨセミテのエルキャピタン「サラテルート」を2日間で完登した平山ユージ氏。ザ・ノース・フェイスは同年からその挑戦をサポートし、自由な動きと軽さ、強さを追求したウエアをともに開発してきた。

「TRUENORTH」のエレメントで扱われるのは、ザ・ノース・フェイスにとってインスピレーションの源泉である「アスリート」、彼らが追い求める「冒険」、そしてそのアスリートと冒険を支える「プロダクト」という3つの要素だ。

エクスペディションを支えてきたSummit Series(サミットシリーズ)は、昨年25周年を迎えた。「TRUENORTH」では、この3つの要素を通じて、改めて冒険の本質を問いかける。

未知へ挑み続けるアスリート、その挑戦としての冒険、そして両者を支えるプロダクト。これら3つの関係性を通して見ることで、ザ・ノース・フェイスが長年向き合ってきた「探求」のあり方も浮かび上がってくる。

【SUMMIT SERIES 25th】25年の挑戦、その先へ──。冒険を支え未来を切り拓いた四半世紀。

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“空気”を素材にする。未来のウエアを示す「SILENTWARMTH」

▲Goldwin Tech Labが開発した、独自の積層構造「ヴォクセロフト」を採用する防水ジャケット。ウエア内部の空気量を増減させ、空気の対流を抑えることで保温性を調整できる。前身頃と腕の外側には3層、背中には2層の空気層を配置し、フードと脇下には空気層を設けないことで、保温性と運動性を両立。表地には防水透湿素材「パーテックスシールドプロ」を採用する。2026年のウルトラトレイルビレッジ(フランス)で限定発売。

「SILENTWARMTH」では、ザ・ノース・フェイスが開発を進める独自の構造設計技術「Voxeloft(ヴォクセロフト)」に焦点を当てる。

ヴォクセロフトは、衣服内の空気量を調整することで保温性を自在に変化させる技術だ。2022年には「空気」そのものを素材として活用した「エアーチャンバーヌプシベスト」が発表されており、今回の展示ではヴォクセロフトから着想を得た未来のプロトタイプ製品が展示される。

▲2022年に発売された「エアーチャンバーヌプシベスト」。ザ・ノース・フェイスで初めて、衣服内に“空気”を取り込むテクノロジーを採用し、専用のスタッフサックを使って空気量を調節することで、保温性やかさ高を変えられる。羽毛や化繊などの中綿を使わず、空気を抜けばコンパクトに携行できる設計も特徴。

注目したいのは、保温性を素材そのものだけでなく、衣服内に存在する「空気」の量を調整することによってコントロールしようとする発想だ。ザ・ノース・フェイスが問いかける「未来のエクスペディションウェアとは?」。その可能性を考えるうえでも、ギア好きなら気になる展示になりそうだ。

【ザ・ノース・フェイスの “エクスペディションドライドット”コレクション】汗を吸い上げ、すばやく拡散・発散を促す高機能ベースレイヤー。

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アウトドアの外側へ。「CROSSOVER」と「LITTLEWILD」

▲2022年に東京ミッドタウンで開催された体験型イベント「PLAY EARTH PARK」。地球を構成する「地・水・風・空・火」の5つのエレメントをテーマに、建築家がデザインした遊具を展開。子どもたちが遊びを通じて自然の原理に触れ、“地球とつながる感覚”を育む場として企画された。

ザ・ノース・フェイスの「探求」は、山や極地での冒険、プロダクト開発だけに閉じていない。

「CROSSOVER」では、2000年代以降に展開されたコラボレーションプロダクトが展示される。独自の思想や文化、デザイン言語をもつ多様なブランドやクリエイターとのコラボレーションを通じて、アウトドアで培われた機能やデザインと新たなカルチャーが融合することで生まれたプロダクト群を紹介する。

また、「LITTLEWILD」は、「自然と共に探求すること」のすばらしさを「自然と遊ぶこと」へ翻訳し、子どもたちに届ける取り組みだ。会場では生命の源でもある「水」を題材にしたワークショップが実施される。

カルチャーとの交差や、次世代へ向けた自然との接点づくりへ。ブランドが考える「探求」の領域は、さまざまな方向へ広がっている。

10人の「探求者」が語る映像作品「EXPLORING WITH NATURE」

展示と連動して制作された映像作品「EXPLORING WITH NATURE」も公開される。

ザ・ノース・フェイスの第二期創業者ケネス・ハップ・クロップをはじめ、TNFアスリートのジミー・チンや佐藤亜耶、音楽家の青葉市子、映画監督の河瀨直美など、異なるフィールドで探求を続ける10人へのインタビューを通じて構成された作品だ。

それぞれの人生や活動のなかに存在する「探求」の物語を紡ぎながら、「自然と共に探求すること」の重要性と可能性を見つめ直し、ザ・ノース・フェイスというブランドの輪郭を描き出す。

会場では、会期中毎日18:30から上映が予定されている。

60年の先へ。「NEVER STOP EXPLORING」が意味するもの

ブランドの原点を示す「OPENROAD」、アスリートと冒険、プロダクトの関係を描く「TRUENORTH」、そして未来のプロダクトへの探求を示す「SILENTWARMTH」。

これらをつないで見ると、今回の特別展示には、過去から現在、そして未来へと続くひとつの時間軸が見えてくる。

60年間ブランドを貫いてきた「探求」は、過去の歴史として完結したものではない。60周年という節目にこれまでの歩みを振り返りながら、ザ・ノース・フェイスがこの先どこへ向かい、なにを「探求」していくのか。その未来まで想像させる展示として、PEAKSとしても注目したい。

NEVER STOP EXPLORING EXHIBITION

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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