
フルマラソン後半の失速は「フォーム崩れ」が原因。理学療法士が教える3分間の室内ルーティン 【第1回 腕振り・体幹のひねり編】
FUNQ
- 2026年07月27日
ーーーその他の記事ーーー
<フルマラソン後半の失速を防ぐ フォーム崩れ対策ルーティン>
【第2回 体幹・⾻盤の安定編】
【第3回 ⽚脚⽀持・⾻盤の安定編】
【第4回 脚のバネ (着地の衝撃吸収・反発) 編】
ーーーーーーーーーーーー
フルマラソンの後半、急に失速して足が止まる……。
じつはそれ、「フォームの崩れ」が原因かもしれない。
きちんとしたフォームをキープできれば楽に長く走れるが、
そのためには、もちろん姿勢を支える筋力が必要だ。
それなら、過酷な筋トレが必要かといえば……
そこまで、ではない。
理学療法士だからこそ提案できる
「1日3分の室内ルーティン」を続けさえすれば、
その力は、わりと簡単に手に入るのだ。
もちろんちょっと走ると疲れてしまう……という
ビギナー・ランナーの悩みの原因もまた
フォームキープにあるかもしれない。
そこで
全4回でお届けする本連載の第1回は、
ランニング動作の土台となる
「広背筋(背中・肩甲骨まわり)」にフォーカスする。
① 肩甲骨転がし運動(左右各15回)


肩甲帯(肩甲骨まわりの筋肉)を活性化させ、
腕振りの可動域を広げるための動き。
横向きに寝て、脚を軽く曲げた姿勢をとる。
両手は胸の前でそろえてまっすぐ伸ばし、
手のひらを合わせる。
上側の腕を、天井に向かって、
大きく弧を描くように開き、
真上に向けたところで止め、
2秒ほどキープして戻す。
ヒジを曲げず、
できるだけ遠くを通すように、腕をまっすぐ上に伸ばすのがポイントだ。


肩先だけで腕を回そうとせず、
肩甲骨を背骨に引き寄せる感覚を大切にする。
(上写真→下写真)
肩甲骨の動きがスムーズになることで、
力みのない腕振りが可能になり、
結果的に、体幹の回旋を、
よりダイナミックにすることがねらいだ。
余裕があればペットボトル(500ml)を握って
腕を上下させると、負荷と効果が上がるので
試してみたい。
監修者の柏村さん
「腕を外に開いたときに肩がすくんでいる場合は、
背中の筋肉ではなく、首まわりの筋肉まで使ってしまっている証拠です。
肩甲骨が床に向かって
真下へ転がるようなイメージで動かしてみてください」
② 手脚の対角線のばし(左右各5回)

背中からお尻へとつながる「筋肉のライン」を活性化させる。
前を向いて立ち、
片方のヒジと反対側のヒザを近づける。
このときに猫背にならないように注意。
そこから
腕を斜め上、後ろへ、
ゆっくり大きく伸ばすと同時に、
反対側の脚を後ろへ、ゆっくり大きく蹴り出すように伸ばす。
最後はピタッと止め1秒キープして
ゆっくりとヒジとヒザを近づける姿勢に戻す。


また注意を向けたいのは
手を上げた側の背中と、
脚を伸ばした側のお尻(大でん筋)が
「つながっている」感覚。
上げた手の親指を後ろに向け、
下げている側の手は小指を後ろに向ける意識をもつと、
背中からお尻にかけてのつながりが、より感じやすくなる
(写真)
……
着地した脚(お尻)と反対側の腕(広背筋)は
ランの動作において連動している。
この「対角線のつながり」を強化することで、
着地からの蹴り出しまでの連続した流れを、
前に進む力へと変えられるのだ。
腕振り・体幹の回旋を支える「広背筋」の役割

「広背筋(こうはいきん)」とは、背中一面に広がり、
脇の下から腰にかけての、大きな筋肉のこと。
ランニング中、
腕を振る動作はただ腕を前後に動かすだけではない。
肩甲骨を起点に、この広背筋を連動させることで、
腕振りと脚が前後に動くことによる、
体幹の回旋(ひねり)が生み出されるのだ。
この広背筋との連動こそが、
スムーズな脚運びと効率的な推進力を生むカギ。
ーーー
監修者の柏村さんによれば
「ルーティンとして毎日できればベストです。
とはいえ、週に3回程度でも効果は期待できますよ。
大切なのは、ランニングの時にここを使うんだ、
という意識をもちながら取り組むことですね」
とのこと。
ーーー
走るときの自分のペースは、自分で作りたいもの。
とはいえ、そのペースを維持できるかどうか……もまた、
フォームのキープが
大きく関わることは間違いない。
楽に長く、好きなペースで走りたい。
そんなランナーはもちろん、
秋のレースに向け、後半で失速しない!
と誓うランナーもまた、
崩れないフォームを手に入れられる
3分間ルーティンを取り入れてみてはどうだろう。
【監修】
柏村 東吾(かしむら とうご)/プライマリメディカルサポート

理学療法士、NASM-PES、GPT Japan オフィシャルインストラクター、3学会合同呼吸療法認定士。急性期病院で10年以上勤務し、集中治療室から訪問リハビリまで幅広い病期・疾患に携わる。術後のコンディショニングをはじめ、整形外科・スポーツ分野を中心に、痛みの原因を丁寧に分析し、一人ひとりに合わせた施術を行う。また、さまざまなスポーツのパフォーマンス向上にも力を入れている。
プライマリメディカルサポート
トップアスリートを支えるコンディショニングとトレーニングを支援するプロフェッショナル集団。動作分析・メディカルチェックを通じ、ケガの予防からパフォーマンス向上まで幅広くサポートする。
https://primarymedicalsupport.com/
【model @RUNNING Style】
タクマさん

昨年の秋、先輩の勧めでランニングを始め、いまでは月間100kmを走るランナーに。走り始めて2カ月後には初ハーフマラソンに出場し、1時間45分で完走。多忙な仕事の合間を縫って週3回の朝のジム通いとランニングを楽しむ。来年初頭には、フルマラソンの予定もあり「走ることで生活にメリハリがつきましたね」という。じつは水泳で20年間の経験をもち、リオ五輪選考会まで出場した実績もある元トップスイマー。
- BRAND :
- RUNNING style
- CREDIT :
-
◎Photo 後藤 武久 Takehisa Goto
◎Model タクマ Takuma
◎Edit & Text 吉田 健一 Kenichi Yoshida
SHARE



















