
中村輪夢が自国開催の初代王者に、畠山紗英は12年越しの悲願達成 ―BMX全結果|愛知・名古屋アジア競技大会
Bicycle Club編集部
- 2026年09月29日
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2026年の愛知・名古屋アジア競技大会では、9月26日から28日にかけて自転車BMX競技(フリースタイル・パーク、レーシング)が行われた。パーク種目の男子は中村輪夢が自国開催の初代王者に輝き、小澤楓が2位で日本のワンツーフィニッシュ。女子は小澤美晴が2位、白井玲恵奈が4位でフィニッシュした。レーシングでは女子で畠山紗英、男子で中井飛馬がそれぞれ優勝し、男子は木内彪凱が2位に入って日本のワンツーを飾った。BMX2種目で日本は金メダル3個、銀メダル3個の計6個のメダルを獲得する大躍進となった。
フリースタイル・パーク男子 中村輪夢が自国開催の初代王者に、小澤楓との日本ワンツー

9月26日に行われた予選(Qualification)を、中村輪夢が91.70点でトップ通過。小澤楓も85.10点で2位につけ、日本勢2名が決勝進出を決めていた。迎えた9月27日の決勝では、中村が1本目の走りで92.80点をマークして早々に優勝を確定させると、2本目はプレッシャーから解放された中でウィニングランを披露し96.20点まで得点を伸ばして貫録の優勝。小澤楓も1本目から得点を上げて90点台に乗せる好走を見せたが、2本目終盤に技を落とし90.00点で2位にとどまった。3位は中国のSHA Xiaolongだった。
中村輪夢「自国開催で初代王者というタイトルは今しか獲れない特別なもの」

決勝後、中村は喜びとともに次を見据えるコメントを残した。
「ここに向けてずっと練習を重ねてきたので、まずはしっかり結果を残せて『とりあえず良かったな』というのが今の気持ちです。かねてからこだわっていた『アジア大会の初代チャンピオン』というタイトルを獲ることができて一番はホッとしていますが、自分の目指す場所はやっぱり世界で一番なので、これを良いステップにして次へ進みたいです」
日本代表チームの旗手も務めた中村は、その責任についても振り返った。
「1本目の走りで優勝を決めることができたのは良かった点ですが、本当は2本目にやったパフォーマンスを1本目で成功させたかったという思いもあります。今回、日本代表チームの旗手としての責任も口にしていましたが、しっかり金メダルを獲得してその役割を果たせて良かったです。アジア大会はまだまだ他の競技も続いていくので、この勢いのまま日本全体でもっともっとメダルを積み上げていけたら最高ですね」
予選後には、初代王者への意気込みも語っていた。
「自国開催で初代王者というタイトルは今しか獲れない特別なものですし、歴史に一番残る名誉です。明日の決勝ではやりたい技を出し切って、自国開催の初代王者を獲りにいきます」
小澤楓「決勝2位も、残り5秒での失敗が悔しい」

自己ベストを更新しながらも、僅かなミスが悔やまれる結果となった。
「まずは、このアジア大会という舞台で自分の走りができて本当に良かったです。1本目からさらにスコアを上げて90点台に乗せられたのは良かった点ですが、2本目の最後、残り5秒くらいのところで技を失敗してしまったのがすごく悔しいですし残念です。今回はこの結果になりましたが、課題を修正してまた強くなって戻ってきます」
予選通過時にも次のようにコメントしていた。
「まずは予選を上位で通過することができて本当に良かったです。何より名古屋は地元から近いので、知り合いやファンの方がたくさん応援に駆けつけてくれています。その声援が本当にありがたいですし、大きな力になっています」
フリースタイル・パーク女子 小澤美晴が痛めた右足首を押して銀メダル

女子は9月26日のシーディングで中国のSUN Jiaqi、SUN Sibeiが上位を占め、小澤美晴が3位、白井玲恵奈が4位で決勝入り。翌27日の決勝では、SUN Sibeiが93.80点で優勝を果たしたが、小澤美晴が91.20点で2位に入り銀メダルを獲得。白井玲恵奈は81.00点で4位だった。
小澤美晴「1週間前に痛めた右足首、それでも掴んだ銀メダル」

決勝直前のアクシデントを乗り越えての結果だったことが明かされた。
「実は大会の1週間ほど前に右足首を痛めてしまい、本番直前までほぼ自転車に乗れていない状態でした。最初は大会に出られるかも分からない状況だったので、こうして最後まで走り切り、銀メダルを獲得できたことは素直にすごく嬉しいです。1本目のランの最初に足の衝撃で激痛が走り、あのような形で終わってしまった時は『もう2本目でやるしかない』と気持ちを切り替えました」
2本目については次のように振り返った。
「2本目は技の難易度を上げ、テイルウィップバースピンや720(セブントゥエンティ)といった大技を攻めました。技が決まった後に大きな声援が聞こえて本当に嬉しかったですし、怪我を抱えた中での現状としては手応えのあるランができたと思っています。金メダルに届かなかった悔しさはもちろんありますが、応援してくださった皆さんのおかげで掴み取れた銀メダルだと思っています」
白井玲恵奈「4位で悔しさも、次は金メダルを狙う」

初のアジア大会出場で自国開催という舞台に立った白井は、手応えと課題の両方を口にした。
「技の難易度や精度を上げて決勝に臨みました。構成の中で何個か入らなかった技もありましたが、イメージしていた流れのほとんどを出し切ることができました。自分ができる限りのパフォーマンスを尽くした上での4位、そしてこの得点なので、結果は受け止めています。ここから技の完成度をさらに高め、新しい技も増やして、次は金メダルを狙っていきたいです。会場の歓声や盛り上がりは本当に最高で、背中を押されました」
ライアン・ナイキストコーチ「金1、銀2の計3メダルはこれまでにない最高の結果」

チームを率いるナイキストコーチは、大会を次のように総括した。
「全体として今回の結果、そして選手たちのライディングのレベルの高さには本当に満足しています。金メダル1つ、銀メダル2つの計3つのメダルを獲得できたことは、これまでにない最高の結果です。この若いチームの未来は非常に明るいですし、ものすごい才能とポテンシャルを秘めています」
今後の目標についても言及した。
「次なる短期的なビッグゴールは世界選手権です。2028年ロサンゼルスオリンピックの出場枠を獲得する最初のチャンスになります。そして長期的なゴールはもちろん2028年のオリンピック本体です」
BMXレーシング 畠山紗英・中井飛馬が優勝、木内彪凱と男子ワンツー

9月28日には屋外コースでBMXレーシングの決勝が行われた。女子は畠山紗英が33秒401で優勝し、金メダルを獲得。2位は中国のLIAO Wanyi、3位はインドネシアのSETYOBUDI Jasmine Azzahraで、日本の西村寧々花は4位だった。男子は中井飛馬が30秒103で2大会連覇を達成し、木内彪凱が2位に入って日本のワンツーフィニッシュ。3位には中国のLIN Haochaoが入った。
畠山紗英「悔しさも残るが、12年・3回目の挑戦で掴んだ悲願の金メダル」

優勝を飾った畠山だが、レース内容には課題を口にした。
「日本での自国開催という特別な舞台で優勝できたこと自体はすごく嬉しいです。ですが、内容としては課題としていたスタートで失敗してしまい、自分の思い描いていた走りができなかった悔しさが残っています」
決勝でのトラブルについても振り返った。
「予選の3本はとても良い感覚で走れていたので、決勝もこのまま行けば他の選手を引き離してゴールできると思っていました。決勝のスタート直前、一度ゲートに入って集中を高めていたタイミングで仕切り直しになってしまいました。最初はなぜ後ろに下げられたのかも分からず、みんなで戸惑う場面もありました。結果として金メダルは獲れたので、また課題を修正して次につなげたいです」
中井飛馬「無事に2連覇達成、めちゃくちゃ嬉しい」

前回大会に続く連覇を、安定した走りで手にした。
「無事に2連覇を達成することができ、めちゃくちゃ嬉しいです!この大きな緊張感とプレッシャーの中で1位を走り続けることは決して簡単ではないので、そこを乗り越えて勝ち切れた分、喜びもひとしおです」
決勝の展開についても詳しく語った。
「決勝は路面がかなりウェットで、コーナーが滑りやすいコンディションでした。後続を引き離していても転倒したら終わりなので、安全なラインを選びつつも後ろから抜かれないギリギリのバランスを攻める難しさがありました。無事に連覇を果たせました!温かい応援、本当にありがとうございました」
木内彪凱「初めてのアジア大会でメダル、中井選手とのワンツー」

決勝で4番手からまくり、2位でゴールした木内は次のように振り返った。
「初めてのアジア大会でメダルを獲得できたことは素直にすごく嬉しいですし、自分の今後のキャリアにとっても良い影響になると思っています。決勝はスタートで少し出遅れてしまい、最初は4番手あたりからの展開でした。それでも第1コーナーを曲がった後にスピードに乗れていたので、そこでタイの選手2人を抜いて2番手に上がることができました。レース前には中井選手が『いつも通り行けよ』と声をかけてくれたり、アドバイスをくれました」
西村寧々花「悔しい気持ちでいっぱい、次のステップへ」

4位でメダルに届かなかった西村は、悔しさをにじませた。
「メダルを獲得することができず、本当に悔しい気持ちでいっぱいです。大会を通してずっと緊張してしまっていて、身体も硬くなり、思うような自分の走りができませんでした。この悔しさを忘れず、プレッシャーの中でも本来の力を発揮できるよう、また次のステップに向けて練習に取り組んでいきたいと思います」
三瓶将廣チームリーダー「ホームアドバンテージに助けられた戦い」

チームを率いる三瓶リーダーは、大会全体を総括した。
「大会を振り返ると、男女ともに決して簡単なレース展開ではありませんでした。その中で男子は課題をしっかり修正して中井選手が1位、木内選手も素晴らしい追い上げで2位に入り、ワンツーフィニッシュというベストな結果を出してくれたと思います。女子は畠山選手が決勝でスタートに失敗してヒヤヒヤしましたが、ホームアドバンテージでコースを多く走り込んでいた経験に助けられました。畠山選手にとってもジャカルタでの転倒、前回の怪我を経て、12年・3回目の挑戦で掴んだ悲願の金メダルであり、この舞台の難しさを改めて実感しました」
今後の展望についても語った。
「日本はアジアをリードしている立場とはいえ、アジア大会で男女共に金メダルを獲得するまでには2010年から16年もの年月がかかりました。ホームの有利な環境でありながらギリギリの戦いだったことを考えると、さらに二段、三段とレベルアップしていかなければなりません。今週末からは早速ワールドカップが始まり、ロサンゼルス五輪の国別枠獲得に向けたサイクルに入っていきます」

リザルト
BMXフリースタイル・パーク 男子決勝(9/27)
1位 中村輪夢(日本) 96.20
2位 小澤楓(日本) 90.00
3位 SHA Xiaolong(中国) 86.20
BMXフリースタイル・パーク 女子決勝(9/27)
1位 SUN Sibei(中国) 93.80
2位 小澤美晴(日本) 91.20
3位 SUN Jiaqi(中国) 90.20
4位 白井玲恵奈(日本) 81.00
BMXレーシング 男子決勝(9/28)
1位 中井飛馬(日本) 30.103
2位 木内彪凱(日本) 30.583 +0.480
3位 LIN Haochao(中国) 32.947 +2.844
BMXレーシング 女子決勝(9/28)
1位 畠山紗英(日本) 33.401
2位 LIAO Wanyi(中国) 34.500 +1.099
3位 SETYOBUDI Jasmine Azzahra(インドネシア) 34.932 +1.531
4位 西村寧々花(日本) 35.043 +1.642
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