
ネオコット復活⁉ ブリヂストンが描く自転車の未来 コンセプトバイク2台をジャパンバイクショーで初公開|
Bicycle Club編集部
- 2026年09月30日
ブリヂストンサイクルは2026年9月30日、自転車だからこそ生み出せる新しい価値を提案する2台のコンセプトバイクを公開した。名作フレーム技術を現代によみがえらせた「NEOCOT EVO CONCEPT」と、家族の移動や業務利用を見据えた3輪モビリティ「CONCEPT 3」の2台だ。9月30日〜10月1日開催の「ジャパンバイクショー」で初披露され、その後は一般向けイベントでの公開も予定されている。
伝統のフレーム技術が進化「NEOCOT EVO CONCEPT」

2台目は、かつてブリヂストンのスポーツ自転車を象徴したフレーム技術「NEOCOT」を、現代の素材と設計で再解釈したスタディモデル「NEOCOT EVO RNC9」だ。
会場でブリヂストンサイクル商品企画担当の村河裕紀さんに話を聞くと、造形こそNEOCOTへのオマージュだが、構造そのものは現代的なモノコックカーボンだという。「カーボンの積層の折り目を分けることで、NEOCOTのヘッド形状を踏襲しています。トップチューブも、NEOCOT特有の末広がりの形状をカーボンで再現しました」(村河さん)。
ベースにあるのは、2021年まで作られた歴代NEOCOTの思想だ。現行エアロロード「RP9」譲りの空力設計と、NEOCOTならではの細身で有機的な造形を融合させ、「トラディショナルな造形×現代のパフォーマンス」という二律背反の両立に挑んだ。規格は最新仕様で、35Cタイヤに対応し、UDHハンガーを採用。ディスクブレーキ、ケーブルフル内装、エアロシートポストと、現行のロード/グラベルの潮流を押さえる。車体はブリヂストンの「Carbon Lab」で、石膏モールドの削り出しからカーボン成形まで内製したフルカーボンモノコック。ブースには成型に使われた石膏型も並べられていた。
そもそも「NEOCOT」とは 1991年に生まれた名フレーム技術

NEOCOT(ネオコット)は、「NEO Contour Optimization Theory(新形状最適化理論)」を名に冠したブリヂストンのクロモリフレーム技術だ。カーボンやアルミへの素材転換が進む1990年代初頭に、あえてクロモリの可能性を追求し、「必要最小限の素材で最大限の性能を実現する」という発想から誕生した。自転車各部にかかる応力を解析し、その力に応じてパイプの形状や厚みを最適化することで、軽さ・強度・剛性・しなやかさを高い次元で両立することを目指している。
核となるのが独自の「バルジ加工」と「スピニングバテッド」。バルジ加工は、鋼管内部に高圧オイルを充填してパイプを理想的な形状へ成形し、接合部そのものをラグのような形状へと変化させる技術で、余分な材料を排しながら高い剛性と強度を確保する。スピニングバテッドは、パイプ外側からの成形で肉厚を無段階に変化させ、必要な部分には厚みを、不要な部分には軽量化を施す。村河さんの言う「トップチューブの末広がり形状をカーボンで再現」も、この時代のチューブづくりを踏まえたものだ。
1991年に登場したNEOCOTは、MTBからロードバイクまで幅広いカテゴリーで展開され、2021年まで約30年にわたり作り続けられた。オリンピックやプロレースの舞台でも活躍し、ブリヂストンのスポーツバイクの一時代を築いている。その開発思想は、現在の量産技術「PROFORMAT」へと受け継がれ、ブリヂストンサイクルは「NEOCOTはANCHORにおける『速さへのこだわり』の原点」と位置づける。NEOCOT EVO RNC9は、その原点を現代のカーボンとモノコックで受け継ぐ試みといえる。
暮らしの課題から発想した3輪モビリティ「CONCEPT 3」

1台目は、3輪ならではの安定性と積載性を生かした電動アシストのコンセプトモデル。買い物やレジャー、子どもの送迎、さらには業務利用まで、多様な移動と運搬を1台でカバーすることを狙う。子どもの同乗に関する年齢基準の見直しが検討されるなど、今後高まりそうな高荷重ニーズも見据え、より大きな荷重に対応する車体設計を追求。前部にはあらゆる形状の荷物に対応するウッド調のラゲッジスペースを備える。
会場でブリヂストンサイクル商品戦略部の室伏僚さんに話を聞いた。「子どもが2人横並びで、きゃっきゃ笑いながら楽しく乗れます。3輪にして座面をかなり低くしているので、ステップを使えば子ども自身で乗り込める。左右どちらからでも乗り降りできるようにしています」(室伏さん)。「自分で乗りたい」という子どもは実際に多いといい、子ども自身がシートに座ってベルトを締められるようにすることで、親の負担軽減にもつなげる。安定する3輪だからこそ成立する発想だ。後輪まわりには可動式のスイング機構を採用し、車体の姿勢を保ちながら路面の変化に追従する構造になっている。

視認性の面では、フロント・テールライトに加え、リヤキャリヤ下部のサイドライトと後方視認性を高めるハイマウントテールライトを装備した。「ALL-WEATHER style」では、3輪の安定感を生かした大型カバーで子どももドライバーも雨や日差しから守り、リヤスペースには冷却システムを搭載。子どもの首元へ冷風を送り、夏の暑い日でも快適に移動できるという。一方「HEAVY-DUTY style」は、車よりコンパクトな3輪の機動力で都市部の狭い道にも対応し、ラストワンマイル配送や施設内移動、冷凍・冷蔵輸送といった業務用途での活躍を想定している。

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