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ブランドン・マクナルティが新世界王者に! 32km独走でアルカンシエル獲得|UCIロード世界選手権

9月27日にカナダ・モントリオールで行われたUCIロード世界選手権のエリート男子ロードレースで、ブランドン・マクナルティ(アメリカ)がフィニッシュまでの32kmを独走。1993年以来となるアメリカ人ライダーによるロード世界王者に、そしてマイヨ・アルカンシエルを獲得した。

数的優位に持ち込みマクナルティのアタック呼び込んだアメリカ勢

9月20日から同地で行われてきた大会。最終種目として行われたエリート男子のロードレースは273.7kmで争われた。モントリオール郊外のブロサールを出発し、ワンウェイルートを走ったのちにモントリオール市街地の周回コースへ。1周13.4kmを12周する間、10%前後の急坂を複数こなしていくことになり、実際にレースはサバイバル化することとなる。

© UCI

181人が出走した一戦は、最大16人の先頭グループ形成で幕を開ける。メイン集団ではオランダ、ベルギー、メキシコ、イギリスがペースメイクを担って、最大8分あった先頭とのタイム差を少しずつ縮めていく。周回コースへ入ると、フランス勢が隊列を組んで集団を率いる。先頭グループではアップダウンで脚の差がはっきりし始めて、自然と人数が絞られていく。フィニッシュまで110kmを残した時点で、先頭と集団とのタイム差は1分を切った。

© UCI

フィニッシュまで100kmを切ったところで、マチュー・ファンデルプール(オランダ)らが集団からアタック。数人が追随した中にはワウト・ファンアールト(ベルギー)やうプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)らの姿も。その数十秒後ろでは、イサーク・デルトロ(ベルギー)やポール・セクサス(フランス)が追うグループが組まれ、各国のエースクラスが早くから動く展開となる。

残り75kmを切ったところでマチューがさらにペースを上げて、クイン・シモンズ(アメリカ)とオスカー・オンリー(イギリス)が続く。追走グループは後続が合流し、人数が増えたところで追撃ムードが高まる。ときおり牽制気味にもなるが、デルトロやトーマス・ピドコック(イギリス)らがスピードアップを図って、マチューらとは30秒程度の差にとどめる。

© UCI

フィニッシュまで40kmを切り、残すは3周回。先頭3人を追っていたグループは5kmほど進んだところで、ついに合流に成功。この段階でアメリカ勢がマクナルティ、シモンズ、マッテオ・ジョーゲンソンを残して数的優位に。そして、フィニッシュまで32kmとなったところでマクナルティが仕掛けた。

© UCI

アタックを成功させたマクナルティは、あっという間に後続との差を1分まで広げる。残り2周回となり、上りでペースが上がるとその差は縮まるが、その後の下りや平坦区間で再びマクナルティがリードを広げる流れ。デルトロやセクサスが苦しくなり、ピドコックらが追走を試みるが、ことごとくジョーゲンソンが抑えて追撃の芽を摘んでいく。

マクナルティは追走ライダーたちに迫られながらも、粘りに粘ってトップで最後の直線へ。自身も驚く走りで逃げ切り勝利。2026年の世界チャンピオンに輝いた。

アルカンシエルはUAEチームエミレーツ・XRG内で移動

マクナルティは1998年4月2日生まれの28歳。2016年にジュニアカテゴリーで個人タイムトライアルの世界チャンピオンになっていて、アンダー23カテゴリーでもタイムトライアルを中心に年代別のトップクラスで活躍。2020年にUAEチームエミレーツ(現UAEチームエミレーツ・XRG)でプロデビューし、現在に至っている。

タイムトライアルのほか上りにも強く、近年は山岳アシストとしてタデイ・ポガチャルを盛り立てる役割も担う。今年のツール・ド・フランスは第18ステージでリタイアしたが、それまで好アシストを見せていた。その後、世界選手権に向け準備を進め、前哨戦だった9月13日のグランプリ・シクリスト・ド・モンレアルで3位。今大会初日・20日に行われた個人タイムトライアルでは4位で終えていて、好調が伝えられていた。

会心の勝利に、「言葉が出ない。妻と冗談で“奇跡が起きないと世界チャンピオンなんて無理”と話していたけど、まさにその奇跡が起きた」と新たな世界王者はコメント。チームメートのポガチャルから引き継いで、これから1年間、世界王者の証であるマイヨ・アルカンシエルを着用する。

なお、2位にはマイケル・マシューズ(オーストラリア)、3位にマチューが続き、日本から単騎参戦だった橋川丈は途中までメイン集団でレースを進めたがその後リタイアしている。

© SWpix

UCIロード世界選手権・エリート男子ロードレース(273.7km)結果

1 ブランドン・マクナルティ(アメリカ)6:17:04
2 マイケル・マシューズ(オーストラリア)+13″
3 マチュー・ファンデルプール(オランダ)ST
4 クイン・シモンズ(アメリカ)+14″
5 イサーク・デルトロ(メキシコ)ST
6 マッズ・ピーダスン(デンマーク)
7 トーマス・ピドコック(イギリス)
8 マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ)
9 ジュリオ・チッコーネ(イタリア)
10 ベン・ヒーリー(アイルランド)
DNF 橋川丈(日本)

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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