
梶原悠未が落車再走から銀、中野慎詞が銅メダル!佐藤水菜4強進出 上海世界選手権2日目
Bicycle Club編集部
- 2026年10月16日
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中国・上海で開催されている「2026年UCIトラック世界選手権大会」は10月15日、大会2日目を迎えた。初日の悔しさを晴らすように日本ナショナルチームが躍動。女子エリミネーションでは終盤の落車アクシデントを乗り越えた梶原悠未が、世界選手権の同種目で日本女子史上初となる銀メダルを獲得した。男子ケイリンでは太田海也の果敢な先行から中野慎詞が大外強襲で銅メダルを獲得し、太田も4位入賞。さらに女子スプリントでは佐藤水菜が世界女王レアソフィー・フリードリヒ(ドイツ)をストレートで破って準決勝(ベスト4)進出を決め、メダル獲得へ大きく前進した。
日本勢が怒涛のメダルラッシュ!上海で刻まれた新たな歴史

初日の団体種目で予選敗退が重なり、重苦しい空気が漂った上海崇明ベロドローム。しかし、個人種目が本格化した大会2日目、日本代表の選手たちがその悔しさを力に変えて世界最高峰の舞台で大爆発した。
この日行われた決勝種目は女子エリミネーション、男子ケイリン、男子スクラッチ、そして男女チームパシュートの順位決定戦・決勝。短距離では女子スプリントの予選から準々決勝までが行われた。
女子エリミネーション:終盤の落車を乗り越えた梶原悠未 執念の走りで日本女子初の銀メダル獲得
2周に1人、最後尾の選手が除外されていく過酷なサバイバル種目「女子エリミネーション」。出走した23名の中には、元ロード世界女王であり過去2度この種目を制しているロッテ・コペッキー(ベルギー)や、メーガン・ジャストラブ(アメリカ)など屈指のタレントが揃った。
日本からは中長距離のエース梶原悠未が出場。序盤から集団内で複数選手の落車が発生する荒れた展開となる中、梶原は冷静沈着に位置取りを続け、安定した走りで周回を重ねていく。

しかし、レースが佳境に入り、残り5人ほどに絞られたところでまさかのアクシデントが梶原を襲う。最後尾付近に位置していた梶原が前を走る選手の後輪に接触してしまい、バンクに激しくスリップダウン。レースは一時ニュートラル(中断)となった。
幸いにも身体へのダメージは深刻ではなく、梶原は素早くスペアマシンに乗り換えてすぐさま再走へ。動揺してもおかしくない危機的状況だったが、梶原の集中力は途切れなかった。
レース再開後、梶原は力強いペダリングで生き残り、ジャストラブ(アメリカ)が3位で脱落。最後は栄誉ある虹色のアルカンシェルを懸け、コペッキーと梶原による1対1の頂上決戦へと持ち込まれた。
最終周回、お互いに牽制し合いながら様子を窺う両者。先に仕掛けたのはコペッキーだった。強烈なダッシュでアタックを仕掛けたコペッキーに対し、落車の影響とこれまでの激闘で脚を消耗していた梶原はこの加速に反応しきれず。コペッキーが通算3度目となるエリミネーション世界チャンピオンに輝いた。

惜しくも世界一には届かなかったものの、落車から立ち上がって手にした2位銀メダル。世界選手権の女子エリミネーションにおいて日本勢初となる歴史的快挙を成し遂げ、日本チームに今大会待望の第1号メダルをもたらした。
男子ケイリン:太田海也が世界王者を追い詰める先行劇!中野慎詞が大外強襲で銅メダル獲得

世界最速のスプリンターたちが集結した男子ケイリン。日本からは太田海也と中野慎詞が出場した。
1回戦、太田は第4ヒートで圧巻の先行策を見せ、ラスト200mを9秒865で駆け抜けて1着通過。中野は第2ヒートで4着に敗れ敗者復活戦へ回ったが、その敗者復活戦を完璧な立ち回りで1着フィニッシュし、文字通り息を吹き返して準々決勝へ進出する。

準々決勝では、太田が再び主導権を握って先行し、オランダの絶対王者ハリー・ラブレイセンを従えて1着。中野は後方からの苦しい展開となったが、最終直線でイン側のコースを鋭く突いて3着に滑り込み、日本勢2名が揃って準決勝へと駒を進めた。
そして迎えた準決勝第2ヒート。同組となった太田と中野は阿吽の呼吸を見せる。太田が強烈なスピードで先頭に立つと、中野がしっかりとマーク。世界選手権の舞台で日本勢がワンツーフィニッシュを飾り、揃って1-6位決勝進出を果たした。
決勝:太田とラブレイセンの死闘、そして中野の電光石火の追い込み

運命の決勝戦。並びは内側からマテウシュ・ルディク(ポーランド)、ニキータ・キリルツェフ(中立選手団/AIN)、ハリー・ラブレイセン(オランダ)、マキシミリアン・ドルンバッハ(ドイツ)、中野慎詞、太田海也の順。張り詰めた緊張感の中、ペーサーの先導で周回が進む。
レースが大きく動いたのはペーサーが退避し、残り3周を切った局面。最後尾にいた太田が一気にポジションを上げて前方へと進出すると、隊列のスピードが一気に跳ね上がる。
残り2周、太田が鋭い加速で先頭へ。後ろの気配を絶えず確認しながら全開で風を切る太田に対し、4番手から世界最強の男ラブレイセンが外を踏み込んで進出を開始。中野は後方内側で行き場を塞がれ、耐える展開となる。
残り1周半、ラブレイセンが凄まじいダッシュで太田の横へと並びかける。ここから太田とラブレイセンの先頭争いという、息を呑むような超高速バトルが勃発。インの太田、アウトのラブレイセンが互いに一歩も引かず、並走状態のまま最終周回へと突入した。
太田の後ろにはキリルツェフ、ラブレイセンの後ろにはドルンバッハ、そして中野もその直後につけて第1、第2コーナーを激走。残り半周を過ぎ、外のラブレイセンがわずかに前に出始めるが、太田も内側で必死に粘り続ける。
最終コーナーを回り、直線へ。先頭はラブレイセン。インで粘る太田、ラブレイセンの外から迫るドルンバッハ。そしてその後ろから、進路を見出した中野が大外へ持ち出して渾身の鬼脚を炸裂させた!

ゴールライン前で3車が横一線に並ぶ大激戦。制したのは世界王者ラブレイセン。そして外から伸びたドルンバッハが2着(+0.068秒)、その外を猛然と強襲した中野がわずか0.024秒差の3着(+0.092秒)でフィニッシュ!中野慎詞が世界選手権で自身初となる銅メダルを獲得した。
果敢に先行して世界王者を極限まで追い詰め、レースを支配した太田海也も堂々の4着(+0.184秒)。日本短距離界の誇るダブルエースが、世界の頂点と互角以上に渡り合えることを証明してみせた。
女子スプリント:佐藤水菜が世界女王フリードリヒをストレート粉砕!4強進出でメダル王手

女子スプリント予選(200mフライングラップ)には佐藤水菜と酒井亜樹が出走。地元中国のユアン・リーインが10秒148の好タイムでトップ通過する中、佐藤は10秒493で12位、酒井は10秒773で22位となり、2名揃って本戦へ。
1/16決勝で酒井はヤナ・ブルラコワ(AIN)に敗れたが、佐藤はアレッシア・マッケイグ(オーストラリア)を撃破。続く1/8決勝でもドイツの強豪パウリーネ・グラボッシュを危なげなく退け、ベスト8へと駒を進めた。

準々決勝(3本勝負・2本先取)の相手は、世界選手権で数々のタイトルを獲得してきた世界屈指のスプリンター、レアソフィー・フリードリヒ(ドイツ)。
1本目、佐藤は落ち着いた駆け引きから一気に加速。フリードリヒに対して先着(10秒752、0.118秒差)する。続く2本目、必死に先行逃げ切りを図るフリードリヒに対し、佐藤は最終コーナーから直線にかけて完璧なコース取りで急襲。ゴールライン直前でハンドルを投げ、わずか0.022秒差で差し切って見事2連勝を飾った。

フリードリヒを2-0のストレートで破る快挙を達成した佐藤水菜。大会3日目に行われる準決勝(ベスト4)へ進出し、悲願のアルカンシェル獲得に向けて視界良好だ。
男子スクラッチ:イギリスのボストックが世界一、今村駿介は12位

トラック40周(10km)で行われた男子スクラッチ決勝には24名が出走。日本からはロードレースでも実績を残す今村駿介が出場した。
平均時速56.693km/hという猛烈なハイスピードでレースが推移する中、今村は集団中団に位置取って勝機を窺った。しかし、ラスト数周で前方のスピードが一段と上がり、混戦のスプリントの中で前方へ抜け出すスペースを見出せず12位でレースを終えた。優勝は終盤の鋭い仕掛けを決めたマシュー・ボストック(イギリス)が手にした。
チームパシュート決勝:男子はデンマークが3分40秒台で圧勝、女子はイギリスが頂点へ
大会初日に予選・1回戦が行われていた男女チームパシュートの決勝が実施された。
男子金メダル決定戦は、デンマーク対イタリアの激突。フィリッポ・ガンナやジョナサン・ミランを擁するイタリアに対し、デンマーク(ベヴォール、レス、マドセン、ペデルセン)が序盤から異次元のペースを刻み、3分40秒865という驚愕のタイムでイタリア(3分45秒596)に大差をつけて圧勝。アルカンシェルを獲得した。銅メダル決定戦はイギリスがフランスを下した。
女子金メダル決定戦はイギリス対イタリアの対戦となり、イギリス(ブースマン、モリス、カズンズ、ナイト)が4分04秒610でイタリア(4分09秒967)を下して世界一の座に就いた。3位決定戦ではドイツがオランダを退けて銅メダルを獲得している。
リザルト:2026年UCIトラック世界選手権 2日目
女子エリミネーション
1位 ロッテ・コペッキー(ベルギー)
2位 梶原 悠未(日本)
3位 メーガン・ジャストラブ(アメリカ)
4位 アリッサ・ポライテス(オーストラリア)
5位 バランティーヌ・フォルタン(フランス)
6位 ワレリヤ・ワルゴネン(中立選手団/AIN)
男子ケイリン
【1-6位決定戦(決勝)】
1位 ハリー・ラブレイセン(オランダ)
2位 マキシミリアン・ドルンバッハ(ドイツ) +0.068
3位 中野 慎詞(日本) +0.092
4位 太田 海也(日本) +0.184
5位 マテウシュ・ルディク(ポーランド) +0.262
6位(降格) ニキータ・キリルツェフ(中立選手団/AIN)
【準決勝(日本勢結果)】
[Heat 2]
1位 太田 海也(日本) ※決勝進出
2位 中野 慎詞(日本) +0.311 ※決勝進出
3位 マキシミリアン・ドルンバッハ(ドイツ) +0.390
【準々決勝(日本勢結果)】
[Heat 1]3位 中野 慎詞(日本) ※準決勝進出
[Heat 2]1位 太田 海也(日本) ※準決勝進出
【1回戦&敗者復活戦(日本勢結果)】
・1回戦[Heat 2]4位 中野 慎詞(日本) ※敗者復活戦へ
・1回戦[Heat 4]1位 太田 海也(日本) ※準々決勝進出
・1回戦敗者復活戦[Heat 3]1位 中野 慎詞(日本) ※準々決勝進出
女子スプリント
【準々決勝(日本勢結果)】
[Heat 4]
佐藤 水菜(日本) 2 – 0 レアソフィー・フリードリヒ(ドイツ)
・第1走:佐藤 勝ち(10.752秒)
・第2走:佐藤 勝ち(10.876秒)
※佐藤水菜が準決勝進出
【1/8決勝(日本勢結果)】
[Heat 5]1位 佐藤 水菜(日本) 11.050秒 ※準々決勝進出
【1/16決勝(日本勢結果)】
[Heat 7]2位 酒井 亜樹(日本) +0.074 ※敗退
[Heat 8]1位 佐藤 水菜(日本) 11.088秒 ※1/8決勝進出
【予選(200mFTT)上位&日本結果】
1位 ユアン・リーイン(中国) 10.148秒
2位 ソフィー・ケープウェル(イギリス) 10.265秒
3位 エマ・フィヌカン(イギリス) 10.288秒
…
12位 佐藤 水菜(日本) 10.493秒
22位 酒井 亜樹(日本) 10.773秒
男子スクラッチ(10km)
1位 マシュー・ボストック(イギリス)
2位 トム・セクストン(ニュージーランド)
3位 リンゼイ・デヴィルデル(ベルギー)
4位 トーマス・コーニッシュ(オーストラリア)
5位 ヤンネ・ドーレンボス(オランダ)
…
12位 今村 駿介(日本)
男子チームパシュート
【最終順位】
1位 デンマーク(ベヴォール、レス、マドセン、ペデルセン / ハンセン) 3:40.865
2位 イタリア(ガンナ、ラモン、マガグノッティ、ミラン) 3:45.596
3位 イギリス(N.ホブス、H.ホブス、ヴァーノン、ウッド / ボストック) 3:47.245
4位 フランス 3:50.351
女子チームパシュート
【最終順位】
1位 イギリス(ブースマン、モリス、カズンズ、ナイト / バーカー) 4:04.610
2位 イタリア(コンソンニ、バルサモ、フィダンツァ、グアッツィーニ / アルツィーニ) 4:09.967
3位 ドイツ(ブロイティガム、ブラウセ、クライン、クレーガー) 4:10.554
4位 オランダ 4:10.803
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 写真:日本自転車競技連盟(JCF)、公益財団法人 JKA
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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